しゃぐな

ガール・イン・ザ・ミラーのしゃぐなのレビュー・感想・評価

ガール・イン・ザ・ミラー(2018年製作の映画)
2.5
マリアくらい美少女ならイージーモードどころじゃないなぁハッピーモードとかでいけるはず(*´ー`*)

ーネタバレ。
ネクラなJKマリアは学校ではイジメにあって、家では美容整形外科医のパパからのモラハラにあって、ついには鏡の中にもう一人の自分を見てしまう。その名もAiram、Mariaの逆読み。

高校生の娘に朝から顔色悪いから化粧し直せとか誕生日プレゼントは「整形」だとか、とにかくパパが狂ってる。娘からの相談なんて全く耳をかさずに娘の見た目も言動も美しいことの方が大事。白雪姫のママかよって。そんなモラハラパパは実は双子だったマリアの片割れを醜いという理由で出生時に殺したくらい狂ってる。美容整形外科医なら見た目はどうにかしてあげれば良かったのに、変態モラハラって直情的で怖い。

そんなパパだからマリアを愛するママはママでマリアが良い子に可愛くしてないとまた娘をパパに殺されちゃうと思ってか、マリアをどうにかリア充陽キャにすべく逐一サポートして朝からレバーを焼く。マジ朝からレバーは勘弁して。

幼い頃からパパに容姿や言動にダメ出しばっかりされて自信を無くして拒食にまでなってるマリアはとにかく美少女なのに顔色悪くてキョドってキモいから学校でもいじめられる。まぁでもイジメっこの筆頭マークはマリアが好きなようにしか見えない。だいたい高校生にもなって大人しい子を虐める精神性は好きな子虐める小学生となんら変わらないだろ。

物語は鏡の中のアイラムとマリアが入れ替わったところから盛り上がっていくんだけど、とにかくアイラムが考えなしに殺していくから、鏡の中で嘆くしかないマリアが可哀想で仕方がなかった。
健気にスケートの練習までしてリリーを死に追いやった辺りはサスペンスフルで良かったし、アイラムにショーンを奪われてマリアは鏡の中から見てるだけで指一本触れる前に殺されてしまったのとか辛すぎて、わたし的プラス評価。
マリアがあんなに絶望した現実世界をいとも容易く打ち破ってさらなる絶望を引き寄せるアイラム。マリアはそれをどんな気持ちで見てたんだろう。
ショーンの死から足が着く前に、とでも言わんばかりに急いでパパを墜としにかかるアイラムにリリーの時の丁寧さなんてない。圧倒的に美しい姿を見せつけて、パパは混乱はしても崩壊はしなかった。アイラムは不服だったのか、満足したのか?いずれにしても殺してしまった。
生後間もなく殺された恨み、美しく育ったのに抑圧されて生きるもうひとりの自分、壊れかけたママ。アイラムは全部壊したかったのかなぁ。成り代わっても幸せになる道を選べなかったアイラムの内側をもっと見たかった。
ママに守られて眠る2人のラストに全ての終わりを見たカタルシス。

美人なのにイジメられてる主人公とアタマオカシイ親の取り合わせに、名作キャリーを思い浮かべてしまったのがわたしの失敗。ついつい比べて見てしまった。
キャリーの最後まで崩れなかったイノセンスから匂い立つようなエロと言葉にし難い思春期の不安定な精神の崩壊に対して、鏡の中のアイラムの邪悪さが初めから強すぎてマリアとアイラムの入れ替わりの場面でマリアのギリギリの脆さがイマイチ伝わらなかったことやマリアの自慰シーンはまだ品があって良かったけどアイラムがイノセントどころか完全に下品なエロで笑ってしまったくらい残念。
それにキャリーママは傍目にも狂ってたけど、マリアパパは職業選択に成功してることもあって変態感乏しいし美少女に誘惑されても跳ね返してむしろがっかり、いっそ襲いかかって殺されてしまえばよかったとさえ思う。

「ガールインザミラー」邦題は結果として悪くない。原題はLook Awayは何のことなのか掴みきれない。だれが何から目を逸らしたのか?あぁ、父親に愛されていない自分から目を逸らしたのか?

二重人格を扱ったサイコスリラーだったのか、殺された嬰児の魂が復讐するオカルトホラーだったのか?よくわからない…それが狙いなのか纏まらなかったのか、わたしには分からなかった。なんだかわたしが残念な作品だった。

それにしてもインディア・アイズリーは可愛かったなぁ(´-`*)
しゃぐな

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