Azuという名のブシェミ夫人

ロリータのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

ロリータ(1997年製作の映画)
3.5
1962年のキューブリック版が有名で、こちらの1997年エイドリアン・ライン版はすっかり影を潜めていますが、私はこっちの方が好き♡
作品としての評価で言ったらキューブリック版なのは分かるけれど、単純に好きです。
私の素敵おじ様ランキングベスト10に常に君臨しているジェレミー・アイアンズがとっても素敵なので。
正真正銘のロリコンだけど。
でも少女に翻弄される姿が可愛いんですよ、ジェレミーおじ様。
言っても、ロリコンだけど。
ほら映画だから、ねっ。
映画だから。

下宿先を見学にきて、庭に出たハンバートが初めてロリータを見るシーン。
スプリンクラーが回る芝生の上で、濡れるのをお構いなしに寝そべって雑誌をめくるロリータ。
笑っちゃう位運命的に、それこそ人が恋に落ちる瞬間として描かれるのだけれど、ジェレミー・アイアンズの見惚れる表情が秀逸。
『Beautiful・・・』
この人もしかするとほんとにロリコンなんじゃないか?と疑ってしまうレベルよね。
実際ジェレミー・アイアンズは、この仕事を受けたらロリコンのイメージが付いて干されるから嫌だって断ってたのに、周りから演れ演れ説得されて引き受けて、結局しばらく干されたというエピソード付き。笑

ロリータは原作では12歳の女の子なんだけれど、演じるドミニク・スウェインが15歳だったので年齢設定を14歳に引き上げられてる。
外国の女の子は成熟が早いですから、見た目が結構大人っぽくて、少女感が取ってつけた様な感じはしちゃうんですけどね。
まぁそれでも十分にロリコンなんですけども。
ドミニク・スウェインの小悪魔感可愛いんですけどね、この役を最初ナタリー・ポートマンにオファーしてたってのを聞いて発狂しそうになりました。
観た過ぎるでしょ、そんなの。
でもナタリー・ポートマンがやってたら、世の中の男性がみんな危ない方向に行っちゃうかもしれない位の破壊力ありそうだし、これで良かったんだな。

少年期に恋人を失ったハンバートは、心の時間がその時に止まってしまったんだろうね。
そしてロリータに出会った時、もう一度その時計が動きだしたんだ。
ハンバートの気持ちも分かるんだけど・・・
やっぱ世間的には完全アウトだよね。

次第にロリータへの執着を強くしていくハンバートに対し、外の世界へと興味を移していくロリータ。
若いんだもの、当然どんどん視野が広がって変わっていくよね。
ハンバートの焦燥感や喪失感、そしてオープニングにも繋がるラストの虚ろとなった彼の眼がとても印象的。
やりきったジェレミー・アイアンズに拍手を贈りたい。