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蜜蜂と遠雷のyumeayuのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
4.0
"天才の共演"

原作は恩田陸の長編小説。
国際ピアノコンクールに挑む4人のピアニストたちの苦悩や成長を描く。
今作の魅力はやはり個性的な4人のピアニスト達。それぞれ個性が際立っていました。

🎹栄伝亜夜
母の死をきっかけにピアノが弾けなくなり、音楽界から姿を消したかつての天才。
マサルや塵との交流を経て、ピアノを弾く喜びを思い出し、復活を遂げる。

🎹マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
"ジュリアードの王子"の名に恥じることのない、実力、人気共にトップクラスの天才。
「新しい音楽をやりたい」彼の目はその先の未来を見据える。

🎹風間塵
突如現れた怪童。自分のピアノを持たず、木製の鍵盤を叩く。ほとばしる才能を見せつけ、野生的な演奏で観客を魅了する。

🎹高島明石
楽器店勤務の働くピアニスト。年齢的にこれが最後の挑戦となる。彼が目指す"生活者の音楽"は、若き天才達にインスピレーションを与える。

全く楽器を弾けない自分にとって、楽器を演奏できる人は尊敬に値します。
そういった意味では、今作に登場する4人の天才ピアニストはまさに神のよう。
その圧倒的なスケール感と神々しい鍵盤さばきに目を奪われました。

その登場キャラクターにリアリティを与えたのは、松岡茉優をはじめとするキャスト陣の演技力の賜物でもありました。
彼女らも僕からしてみれば、演技の"天才"。画面越しから見る彼女らの姿は、まさに本物のピアニストのようでした。

原作が長編小説ということもあり、二時間の尺に収めるにはちょっと物足りなさも感じましたが、さほどクラシックに詳しくない自分でも十分に楽しめる内容となっていました。
今作をきっかけに原作にも興味が湧いてきたので、機会があれば手に取ってみたいと思います。
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