さとり

蜜蜂と遠雷のさとりのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
4.8
倉庫で「月光」を弾くシーンでは、彼方の人に問いかけるような眼差しの亜夜と、月の光を純粋に吸収できる塵。この2人の協奏は絵画のように美しい。

海のむこうの遠雷に向かって走る、4人のシーンは風により何にも邪魔されない/影響されない無垢時であり、私の映画史に残る名シーンであった。あの遠雷を見る奏者は、走って、遠雷を立ち止まって見た時に何を想うんだろう。それはそこの領域までたどりついていない人には絶対にわからない想いも表情で表していて、とても神秘的だった。

そして結局、彼らのピアノ演奏を聴くことによって、私たちの心を弾ませてくれる鑑賞体験ができるのだから、本当にいい作品。
さとり

さとり