ゆめちん

男はつらいよ お帰り 寅さんのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.0
男はつらいよ お帰り 寅さん

"男はつらいよ" シリーズは、祖父に連れられて、中原理恵さんがマドンナだった回を映画館で観たのが最初。
それ以降映画館、ビデオ、DVD、TVなどでシリーズの半分位は見たでしょうか。

前作から22年も経って、またお正月に劇場で観ることのできるこの幸せ。昔を懐かしく思いながら鑑賞いたしました。

小説家になった満男は、中学三年生の娘ユリと二人暮らし。亡くなった妻の七回忌の法要で、久々に柴又の実家を訪れ、昔話に花が咲きます。そんなある日満男のサイン会の列に、かつての恋人イズミの姿があり、久しぶりの再会を果たします。

満男とその家族を描きながら、過去の映像を回想シーンとして上手く挿入し、よく練られた構成や演出は見事で、寅さん愛に溢れた一本でした。

回想シーンを通して、寅さんとの思い出を振り返ると同時に、満男の幼少期から現在に至るまでの成長の軌跡や、歴代マドンナの美しい映像も垣間見られ、嬉しさ、懐かしさ、悲しさ、寂しさ、様々な気持ちが込み上げ、久しぶりの "寅さん" を堪能いたしました。

“国民的映画”と呼ばれた本シリーズ。
寅さんの不器用だけど人情に熱く、どこか憎めないその振舞いは、老若男女すべての人に受け入れられ、独特な語り口で発する言葉の数々は、いつの時代も人々の心に深く染み渡ります。
そして本作も最後まで、変わらぬ人の優しさや愛情を、深く味わうことができました。

もうこれで完結だと思いますが、本作に携わったすべての人に、感謝したいと思います。
ゆめちん

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