唯

テッド・バンディの唯のレビュー・感想・評価

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
3.5
明らかに連続殺人鬼と疑われる状況でも、テッドを愛した女性達は彼を信じる。
テッドを信じられるのは、それまでに積み重ねた時間があるからで。
深い絆を結んで来たからこそ、愛情を持って
接して続けてくれた過去があるからこそ、エリザベスはテッドを切り捨てられない。
彼への想いがあることが何より彼女の心を辛く重たいものにしてしまう。

テッドの思い込む力・思い込ませる力がえげつない。
自らが世界の創始者としてのパラレルワールド的世界を創り上げているのだろうな。

頭がキレて顔が良くてコミュ力もあって、という人間と殺人鬼との二面性が考えられない。
一体どんな生い立ちなのか、何が彼をそうさせたのか、気になって仕方がない。
判事が述べた通り「人間性の無駄遣い」とはその通りで。
だけれど、才能や能力があってもその正しい活かし方を知らない人はごまんといるのよね。

自分に都合良く動いてくれる相手を無意識に選び取る直感にも長けているのだろうね。
にしても、顔が良いと本当に得。
信号無視には気を付けよう、うん。

最後の最後でテッドに自白させて、そこからエリザベスは前に進めたのだろうか。
それは容易なことではないだろうが。
唯