マヒロ

ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​のマヒロのレビュー・感想・評価

1.5
駆け出し画商の女性が、偶然同じマンションで亡くなった老人が素晴らしくも禍々しい絵を書き残していることを発見する。画廊の人間たちは、その絵で一儲けしようと画策するも、徐々に周囲でおかしな出来事が起こるようになる…というお話。

『ナイトクローラー』のダン・ギルロイ監督と主演ジェイク・ギレンホールで、画廊の話というからには、またもや野望ギラギラの恐ろしい人間模様が描かれるのかと思いきや、意外にも私利私欲で動く人間が、アート自身に襲われ殺されていくというホラーのような展開になっていく。
非常に分かりやすい話だけど、分かりやすいが故にあまり面白くない。何故『ナイトクローラー』を撮った人が、今になって「金のために悪いことすると酷い目にあうよ」なんていう全くもって普通の話を撮るのか⁉︎

ホラーとしても、アートが人を襲うシーンがあまりにもチープすぎて全く怖くない。低予算にしてももうちょっとなんかやり様あっただろうというレベルで、絵からサルが出てくる所とか『ジュマンジ』かよという感じ。むしろ『ジュマンジ』の方が怖いんじゃないか。
チープが過ぎるのでもしかして笑かそうとしてるのかとも思ったけど、それはそれで下手すぎるしなぁ。

ハリウッド版『デスノート』の時も思ったけど、Netflixオリジナルはたまに「なんでこんな事になってしまったのか」とすら思えてくるヘッポコ映画が出てくるんだけど、今作もその中の一つかも…。

一つ面白かったのは、ジェイク・ギレンホールが『スパイダーマン』の撮影が近かったからなのか、画商とは思えないレベルの度を越したムキムキボディになっていたところで、やたら裸になるシーンが多かった事もあって妙におかしかった。映画の中で不必要にマッチョな人が出てくるとなんか笑ってしまうんだけど、この現象はなんなんだろう。


(2019.27)
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