PaoloSorrentino

殺さない彼と死なない彼女のPaoloSorrentinoのレビュー・感想・評価

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
2.7
試写会にて
予備知識なし。期待値ゼロで、試写でなければ絶対に選ばない作品でしたが、映画は観ないと分からないと実感

オープニングからリアリティーゼロの会話とキャラクターとシーンの連続で、楽しみ方が分からず、厳しい時間が続きました。

しかし三組には、二人だけの閉ざされた関係性の中では、極自然なやりとりであることがシーンを重ねるごとに、空気感として、観客である私にも伝わりました。

そこからは、それぞれのやりとりが愛しくなり、失笑しながら観れました。

ラストに近づくにつれ、会場内から涙をこらえ、鼻をぐしゅん、ぐしゅん、する音が鳴り響き続け、最後には自然と拍手まで聞こえる状況に。

こういった光景は数多くの映画を観ていますが、余り例がなく、とても良い体験となりました。

私は他人と共感しづらい映画を好んで観ているので、こういうタイプの作品を映画館で観ることがなく、私にとっては関わりのないものと思っていましたが、感情を共有するためのものとしての役割があると、久々に思い出させてくれました。

映画としての表現方法として、満足できないポイントが明確に多数存在しますが、観客を一人残らず同じ感情に誘導するためには、これくらい心情も可能性も全てハッキリと言葉と映像にして明示する手法をとらざるを得ないものなのかと、理解しようと思います。

私には泣くことはできませんでしたが、登場人物たちの気持ちを理解し共感することはでき、こういうつくりの映画でも楽しめる心が残っていたことを嬉しく驚いています。

私のように、ひねくれてしまった人や、大人の映画を楽しめる人や、こういったパッケージの作品を敬遠する人、にもとりあえず観て欲しい。そして、感想を聴きたいです。


ロケーションが活かしきれていないが良かった。

堂々とステレオタイプで真っ正面から押し切って、あれだけ多くの人が涙する構造が続くと思うと、涙が

昔の日本映画には、てよだわ言葉、を使って洒落た会話する凛とした女性が数多く観られるので、そういう映画も是非
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