さとり

殺さない彼と死なない彼女のさとりのレビュー・感想・評価

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)
5.0
この作品の制作発表だかで存在を知り、BOOKOFFへ行き、でも売り場がわからなくて、店員さんにタイトルを少し気まずく言い、見つけ出してもらってその日の夜に多分一気読みをしたやつです。
それが映画化!!! 楽しみ!!
桜井日菜子ちゃん好き!!
となり、地元の映画館で上映してくれる嬉しさを噛みしめながら学校帰りに観に行きました。

原作の3組はそれぞれの世界の話と思っていたが、冒頭同じ高校として書かれていて(しかも自然とあの3組がいてもごちゃごちゃしてない)、なるほど、こうきたかと。(後、伏線理解)

キャピ子を嫌いになんかなれないんだよなぁ。キャピ子が数多の彼氏とデートへ行きその日のさよならの挨拶をする時に、またねって言いながらキャピ子の小さい顔に小さい字で「あなたはどうしてまたねって言う時、気怠そうなの?」と書いてある気がするんだけど、きっとキャピ子は自分で、顔に書いてあるってすぐに気付いて、ちょっと考えてファンデーションで消して「またね♡」ってやるんだろうなって思う。
もちろん、これは例え話だけど、
そうやらなければ埋めることができない空虚な心を持つことになった環境育ってきてて、そういう自覚があるからこそ、わかりやすいコミュニケーションを取る。そんな彼女のこと、知れば知るほど嫌いになんてならない。

そのキャピ子に相談にのる地味子ですが、地味子の制服の着方に個性を見つけました!
この現れは、何故かみくびられている少女漫画原作実写映画の革命を起こしていると密かに思ってます。
原作の地味子は、名前のイメージ通りいわゆる制服アレンジをせず、眼鏡・規程の制服・紺ソという風貌でした。
それを忠実に再現するのかと思いきや、地味子の紺ソが黒く短いソックスに変わってて、綺麗な足がみんなに見える制服アレンジをしていた。
地味子という名の少女が、自分がいいと思った着方の流行りを取り入れることは、フィクションにおいても一少女の主体性の獲得を意味すると思う!

君が代ちゃんが、撫子ちゃんに変わっててでも全然いい。原作より少しおっとりした撫子ちゃんは癒しでした。一方で、俯瞰して物事を考えるようになった八千代くんの味気のない表情も良かったです。都会的な無機質な感じが似合うと思ったけど田舎道でも居そうだった。

正直、ボーイミーツガールでもガールミーツボーイでも、なにかのきっかけで出会って人生変わってく系は少し苦手です。その人の人生が瞬く間に変わっていって観てる自分だけがとり残させてる気分になるから。現実と目の前にあるフィクションの差が激しくて辛くなるから。
でも、コロ彼死カノの2人を見てるとそういう嫌悪感を抱かない。なんでだろう。まだ言葉にできないけど、、、。
とにかく私は、この作品を、観て珍しくそういう気持ちにならなかったです。

food:肉まん
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