ギズモX

ディープ・ブルーのギズモXのレビュー・感想・評価

ディープ・ブルー(1999年製作の映画)
4.1
聖書によると海はカオスの象徴だ。
ある時は神の命令に背いたヨナに船が破れるほどの激しい暴風を受けさせ、またある時はパウロが乗ったローマの輸送船を難破させた。
黙示録に記されている新しい天と地上には海は存在していない。
その深き海"Deep Blue Sea"を太古から征服する闇の世界の王者が、神を模して作られた人と同等の知恵を得たとするならば、それは正に"悪魔"と呼ぶに相応しい。

皆ご存知サメ映画の希望の星。
アルツハイマー研究施設の実験で人間並の知能を持ったサメが反旗を翻し人に襲いかかる、サメ映画最高傑作の一つ。
正統派パニック映画を世襲した物語でありつつも、今までのお約束とテンプレを根本からひっくり返す、びっくり演出の連続が本当に面白い娯楽作品。
舞台が閉鎖された海洋施設と相まって、何が起こるのか初見では全く予測がつかない。
この遊園地のアトラクション的なワクワク感とハラハラ感は映画史上最高峰クラスだ。

本作を最初に見たのは小学生の頃だが、あの時からずっとヒロインのスーザンが嫌いでしょうがなかった。
当時は(どんな物語であれヒロインは絶対に善人でなくてはならない)と、勝手にそう認識していたから、この扱いはとても衝撃的だったな。
こいつさえいなければこうはならなかっただろと、今でもそう思ってしまいます。

悪魔と出会った時、人の本質が試される。
その人がどんな人間なのか、それは土壇場でしか分からない。

「オムレツを作るならタマゴは2つだ。
ミルクを入れるのは間違い」
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