でしょうかな

接吻のでしょうかなのレビュー・感想・評価

接吻(2006年製作の映画)
4.1
周囲に馴染めず無感情に生きていた女・遠藤は、一家殺人事件を起こした男・坂口をニュースで見て、一気に惹かれていく。坂口の弁護士・長谷川は、そんな彼女に対する不安を抱きながらも、坂口を知りたいという遠藤に協力する。

宅間守と獄中結婚した女性から着想した、という話を読んだので、途中までは特殊な恋愛ものだろうかと思っていたが、途中から「サイコスリラーだこれ!」となっていった。
主人公の遠藤にはある程度共感できる。個人的には、坂口の兄と会った後、長谷川との会話が共感のピークだったと思う。だが、それ以降、遠藤は長谷川だけでなく、坂口ともすれ違いが生じていく。ある意味、作中で最も孤独で絶望的なのはこのキャラかもしれない。そしてこの役の小池栄子の演技が凄まじい。あまり俳優のイメージは無かったが、本作で一番狂気じみていると思う。
不満点としては、後半から結末にかけての遠藤がどうしても共感も理解もしがたいのと、豊川悦司の髪型が似合わないくらいか。
でしょうかな

でしょうかな