カテリーナ

天国から来たチャンピオンのカテリーナのレビュー・感想・評価

天国から来たチャンピオン(1978年製作の映画)
4.1
アメフトのチーム
ラムズのクォーターバックの選手のジョーは新米天使の手違いで50年早く天国に召される 天国と現世を行き交うジョーと天使
が巻き起こす騒動を描いた
ヒューマンドラマ
をベースにラブロマンス
を散りばめた心暖まるストーリー

「新米の天使」
この設定に思わずクスクス笑ってしまう
しかも彼の容姿はまるで冴えない普通のサラリーマンのよう 眼鏡をかけてくたびれたスーツ姿

「いつまでも人(天使?)の過ちを咎め立てするなんてスポーツマンらしくありませんぞ」

この台詞は自分のミスを棚上げして自己中な所を見せ、天使なのになんか人間臭いなぁと思わせ
観客に親近感を与える
それがこの映画の肝
決して大仰しくならないのだ

この天使に連れられて間も無く死を迎える人の中から擬態を選ぶ
ラムズのクォーターバックの選手として
活躍できそうなスポーツマンタイプを
選り好みして無理難題を押し付ける
ジョーを演じるのは若きウォーレン・ビーティー 爽やかなハンサム顔で好演♡
天使とのいくつかの擬態を観察しながらのやり取りの後自宅の浴室のバスタブで今や溺死寸前の富豪のトムに目をつける
不倫仲の秘書と妻が共謀して溺死に見せかけて殺害しようとしてるのだ
しかし、ジョーは彼の身体を見て
一旦は断る この緩みきった身体じゃラムズで活躍できない

が、人生はほんの一瞬の出逢いで運命が変わる
企業の社長のトムに汚染問題解決を訴えにきた美しい教師を一目みて気が変わるジョー
何とか、彼女の役に立ちたいと仮の擬態としてトムを選び、彼女の希望を叶えるべく
疾走するのだ

この教師役のジュリー・クリスティが
良い 最初は 目の仇にしか映らなかった筈
のトム しかし、中身は純朴なジョーの彼に次第に絆されて行く様子や
心の機微を見事に演じた

ハンバーガーショップのパーキング
車の中会話も無く座っているふたりの顔を
交互に映すカメラワークは秀逸
戸惑いながらも惹かれ合う様子が
手に取るようにわかる

「私もつい、あなたを見てしまうわ」

人は死んでしまうと記憶が失われ
過去の想い出も消えてしまうが
愛が深ければ魂は残るのだとまだ青臭かった私に
教えてくれた映画だった

追記…………………………………………
テレビの洋画劇場を録画したビデオテープで飽きるほど鑑賞した大好きな映画で
(多分今はテープは伸び切っている)
その当時大活躍していた声優の野沢那智がウォーレン・ビーティーでジュリー・クリスティを鈴木弘子 コーチ役のジャック・ウォーデンを富田耕生があてていたが
クオリティの高さや吹き替えで見る映画の楽しみなどを私に染み込ませた
お馴染みの声優なのに作品ごとの役柄を演じ分ける素晴らしさよ!!
*長文にお付き合いくださりありがとうござました*
カテリーナ

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