レビューを書き始めてからちょうど100本目がこの『ジョジョ・ラビット』になったことを嬉しく思う。そんな作品。
第二次世界大戦中のナチスやユダヤ人といった、一見ちょっと重くなりそうなテーマを、軽妙なコメディをベースにしつつもしっかり考えさせる作品。
タイカ・ワイティティ監督の映画は初めて観た。
引きのショットや水平移動など、なんとなくウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』を思い起こさせるような雰囲気。まだ観ていない『マイティ・ソー バトルロイヤル』が楽しみになった。
ヒトラーユーゲントの合宿に参加し兵士を目指すも、ウサギも殺せない心優しいジョジョ10歳。
優しさと愛情いっぱいの母ロージー。
本来ジョジョと出会うべきではない、ユダヤ人の少女エルサ。
あぁいい映画観たなぁ。
ヒトラーを空想の友達としているのも良かった。ジョジョの中にある優しさと、ヒトラーユーゲントとして在りたいと思わされている自分、洗脳されている自分との葛藤が手に取るようにわかる。タイカ・ワイティティ、面白い。
ジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイビス。デビュー作ということだけど、すごいなぁこの子。かわいいなーって思って観てたけど、パンフレットの写真見たらちょっとかっこいいんですけど！ティモシー・シャラメみたいになりそう（？）な雰囲気あり。
ユダヤ人少女役のトーマシン・マッケンジーも、もちろん大尉役のサム・ロックウェルもすごく良かったんだけど、やはりここはスカーレット・ヨハンソンでしょう。
深く、強く、優しい。そして美しい。
美しいといえば、ファッションも。コートも帽子も靴もおしゃれ。センス良いなぁ。
スカーレット・ヨハンソンすごいな。振り幅がデカい。もう一度『ロスト・イン・トランスレーション』観たい。
靴といえば靴ひも。泣いた。
街が戦場と化すシーンは流石にね。もう負け戦なのに。
それでも子供たちにまで。なんだかな。
戦争って本当になんでしょう。誰が幸せになるんだろう？
ザ・ビートルズとデヴィッド・ボウイもずるい。どちらもドイツ語バージョンだったな。
ザ・ビートルズの曲を使ったオープニングでナチス党員の映像を流すのもなかなか。
小学5年生の娘と一緒に鑑賞。事前に「ヒトラー」「ナチス」「ユダヤ人」についてちょっと娘に教えておいたので、娘もストーリーわかったようだし、面白かったって言ってた。
あー、良い映画でした。
僕も今日からできることをするよ。
