シネマスナイパーF

名探偵コナン 紺青の拳のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)
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その拳は、何のためにある…?
鳥だ!飛行機だ!いや、キッド!逮捕だぁ〜!

こんな面白い映画、いつ観るの?
今でしょ!


受験のリスニング問題みたいな英語の会話は突如として作り手そして鑑賞する我々の都合に合わせて日本語へと変わりますが、これは所謂「映画の登場人物異世界人や異星人でも英語喋れちゃう説」の日本語版であり、この作品は一応の理由をつけたかに見せかけて実は納得させきらないという絶妙なハズシ
スーパーヒーローと見紛う驚異的な強さを見せる京極さんにトキメキを見せる園子は突如として非常に力の入った作画で異常に可愛く見せられ、新一に化けているキッドと蘭の噛み合わないイチャイチャを見てヤキモキするコナンまで見せられると、次第に我々も顔が赤くなる

しかし、それ一辺倒では勿論ない
ミスリードに次ぐミスリード、二転三転する黒幕と、考えさせるにはワンテンポほど早い絶妙な展開の変化が心地いい
この感覚、ゼロの執行人は少し今作より弱かったかもしれない
フィーチャーするキャラクターが二人ってのが功を奏したのか、事件を解き明かすメインストーリーに上手いこと京極とキッドが絡んでくるので飽きは全く来ない

今作最も輝いた京極と園子
童貞感を隠そうともしない己の拳のように迷いなきヒーロー京極を見て確信を持ったこと、それは、結局こういう実直で腕っ節強い男が一番キャラクターとして強いということ
「純朴」という免罪符のもとに彼を怒らせてしまうことのある園子を見て確信を持ったこと、それは、結局ときめく女子が純粋に彼との時間を楽しみ、時に涙を流す、それは無条件に可憐だということ


ハリウッドも真っ青なスペクタクルの果てに放たれる、コナンの決め台詞
悪役の微妙なスケール感、クライマックスのクラシック使いは往年の大作感があり、マクガフィンでしかない紺青のフィストの扱いもコナンとしてはいつも通りなのだろうけどいいバランス
名探偵コナンは、日本の007かもしれない
僕の大好きなタイプの娯楽映画でした
サンキューコナン
今年のベスト候補