さとり

新聞記者のさとりのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
5.0
日本アカデミー賞を受賞したということで、DVDを借りた。
ちょうど、森友問題が再燃している今だからこそ、目を背けたくなるような物語がガッチリリンクして、このまま、なぁなぁな感じで世の中進んでいくのかな…という軽い悲しみを感じた。

見たくない現実を見せられて、心を押し殺して、過ごしてきた挙句の真実が闇に加担していたなんてと、思って、だったらもう何も見たくないから目を黒くしようとしたのかな。
黒目の羊。欅坂46の「黒い羊」が刺さるなぁ。

新聞社と内閣情報調査室の室内の明るさの対比がすごい。
こんな暗ーい部屋ある?っていうくらい内調の部屋は暗いんだけど、そこで働いている人たちの目の色や表情すべてが暗い。
同じ題材で動いているのに、新聞社の人たちは、まだ心に火が灯ってて、それが目の色となり、室内の色となる。

特に、主人公の吉岡の、闇を焼き尽くせるような目が印象的。

私が新聞を読むきっかけになった映画だし、世の中に興味を持った大切な作品になった。

けどこの作品の目的は、自殺した行末に残された家族のような存在の人を、これ以上増やさない。そして、代弁する事だと思った。

私たちに、こんな悲しみはいらない。
さとり

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