ひろぽん

記憶屋 あなたを忘れないのひろぽんのレビュー・感想・評価

記憶屋 あなたを忘れない(2020年製作の映画)
3.0
大学生の遼一は年上の恋人・杏子にプロポーズするも、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。信じられない遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。幼なじみの真希や高原の助手である七海らと調査を進めるうちに、多くの人が記憶屋に人生を救われていたことを知る。なぜ杏子の記憶の中から遼一の記憶だけが消えたのか、そこに隠された真実を探っていく物語。


大学生の遼一が年上の恋人である杏子にプロポーズをした翌日から彼女と連絡が取れなくなり、数日後に駅で再開するも彼女は自分の記憶を消されていたという謎を解き明かすべく記憶屋を探していくお話。

自分の記憶を消されても杏子を愛する遼一、地元の広島から上京してきても仲が良く幼なじみの遼一を慕う真希、離婚してしまったが愛する娘がいる高原、高原の事務所の助手であり高原に恋をする七海、幼い頃に巻き込まれた誘拐事件から孫を救う元警察官の真希の祖父、など様々な登場人物の想いが交錯していく。

記憶屋とは忘れてしまった記憶を取り戻したり、記憶を自由自在に書き換えたり、消したりできる人の事かと思っていたが、生きていけなくなるほど辛い経験をした人の悲しい記憶を消して代わりに記憶屋が記憶するという、誰かの人生を救う優しい存在として描かれる。

早い段階で「記憶屋」が誰なのか分かってしまうが、どのような展開を迎えていくのかは検討がつかなかった。

何よりも一途に想いを寄せる真希の純粋な気持ちが最後まで切ない。

遼一が真相を知ってから土砂降りの雨のなかで泣き崩れるシーンは、一昔前のドラマを観ているような古さを感じた。

辛い経験をした人を救っていたはずの記憶屋が私利私欲のために自分の超能力を利用するという展開がイマイチ受け入れられず、泣けそうで泣けなかった。

観る人の置かれてる立場によって感想が変わる作品なんだと思う。誰に共感するかで見方が変わってくる。だけど、性犯罪が絡んでくるから、女性からすると目を背けたくなるようなお話。男の自分からみても気分が良くない。

思ってたのとはちょっと違う雰囲気の内容だった。ホラー×ミステリーで最初は引き込まれたが、後半が微妙だった。

山田涼介や芳根京子、佐々木蔵之介の演技はそれぞれ上手で良かった!

良い経験も悪い経験も全て向き合っていかなきゃいけない事なんだと思う。自分だったらこんな事されたら許せない。人から忘れ去られる方が何よりも辛いし、それを許せる遼一の器の大きさも凄いと思った。
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