こたつむり

ザ・カニバル・クラブのこたつむりのレビュー・感想・評価

ザ・カニバル・クラブ(2018年製作の映画)
3.1
♪ 祈り 願い 絶望 砂をかんで
  悪夢と知らされた夜

うーん。変な映画でした。
人肉を食べる悪趣味なクラブを描いた物語なのですが、基本的には悪人しか出てこないので共感性は皆無。ドキドキもハラハラもありません。

それでも冒頭は良かったんですけどね。
『冷たい熱帯魚』を彷彿させる“解体場面”なんて「どれだけ猟奇に満ちた場面があるのか…」という期待に満ち溢れたんですけども。

あ、いや、グロ系は嫌いですよ。
画面が赤黒く埋まるのは避けてもらいたい“バンビ系”…それが僕ですよ。

でも、好奇心を刺激する精神(こころ)の闇。
それは鉄分と獣の臭いが充満した惨劇を乗り越えないと正体が分からないわけで。それを観たくなるのは人間の哀しき性。本能みたいなものです。たぶん。

だから、少し期待したのですが…。
人肉をシェラスコの様に食べる時点でカジュアル。というか人肉を塊肉として扱うことが出来るか…って本質からズレた指摘ですけれど。でも、主題は“そこ”に在るわけで。やはり、着目せざるを得ないのです。

でも、軽々に駄作と切り捨てるのは違う話。
世界には自分と違う価値観が存在する…それを実体験できたと思えば、無駄な時間ではなかった…そう考えるわけで…ちょっと無理があるような気もしますけど。

まあ、そんなわけで。
変な映画が多いブラジル(偏見じゃないですよね。南米の価値観って日本とは違いますよね)ならではのホラー映画。というか、ホラー映画の括りで良いのかな?もしかしたら、金持ち批判に満ちた社会派映画だったりしないかな?

何しろ、彼ら“だけ”が狂っている…という弁解がありませんからね。被害者となり得る立場で本作を捉えたら、選択肢は「クーデター」一択。「資本家なんてトマトにしちゃえ」なんて思うのです。

あ、いや、僕は“バンビ系”ですよ。
いつでもプルプルと震えているだけですよ。マジで、マジで。

うふふふふふ。
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