こたつむり

ラン・ローラ・ランのこたつむりのレビュー・感想・評価

ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)
3.8
★ BPM126のスピードで流れる脳内麻薬

本作は映画ではなくポップミュージック。
物語の構成からして、Aメロ→Bメロ→サビの繰り返しですからね。ギターソロはありませんが、イントロとアウトロはありますし、テンポも変わりません。ズッタズッタズッタズッタとリズムにノれるかどうか…それが重要なのです。

だから、相性が肝要。
好きか嫌いか、ただそれだけ。
相性が良ければ楽しめるし、悪ければ肩が下がるのです。

僕は幸運にも上手くハマりましたから、本作から様々なことを学ぶことも出来ました。それは、約束の時間は守ろう、とか。銀行強盗はしてはいけない、とか。拳銃は安全装置を外してから使おう、とか。

そして、何よりも大切なのは。
人生はタイミングである…ということ。
一秒の違いが運命を分けるのです。ゆえに無駄な時間など存在せず、一瞬一瞬を一生懸命に生きる…そう。本作はとても前向きな人生賛歌でもありました。

ただ、それだけに僕は言いたい。
製作者も細部に拘るべきだった、と。
例えば、主人公《ローラ》のブラジャー。彼女はタンクトップ一枚で全力疾走するので、徐々に肩ひもがズレていくのですが…なんとカットが切り替わる毎に直っているのです。

いやいやいやいや。
一生懸命に走っていたら直す余裕はないでしょう。また、直すならば、その動作を入れるべきでしょう。たかがブラジャー、されどブラジャー。ブラジャーを笑うものはブラジャーに泣くのです。

まあ、そんなわけで。
なんだかブラジャーマニアのような感想になりましたが…本作の趣旨は先にも書きましたように、前向きな人生賛歌。上映時間も80分強と短めなので、興味があればサクッと試してみるのもアリだと思います。
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