もじゃ

アスのもじゃのレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
3.5
「僕たちだ」

ジョーダン・ピール監督のホラー作品。ドッペルゲンガーがやってきた。しかも家族4人単位!彼らは何者?この土地に秘密がある?

Us=私たち。ドッペルゲンガー。よくよく考えれば夜、強引に家に入ってくる不審者家族という時点で怖い。さらにそっくりな「影」が自分たちに取って代わろうという構図はとても示唆的。自分たちが幸福に生きてる一方で不遇な人達に妬まれる対象なのだ。
この監督、今回も単純なホラーではなく社会派。モンスターや残虐さばかりが怖さではなく、被害者と見る側の立場が同じだと感じたときに現れるものが恐怖ということかもしれない。

2時間弱の長さ。映像はくっきりしていて、ホラーらしからぬことが逆に空恐ろしい感触。序盤で家族の団欒など各ショット時間をたっぷり取るのは、これから脅かされる幸福の印象を与えるためか。4人で別荘のあるサンタクルーズに向かうところからが中盤。相手との対決を決意して終盤。なんとも言えない最後。

幸せって妬まれるよね、っていう作品。
もじゃ

もじゃ