Us(私たち)が、Us(全米)を震撼させる。
自分と同じ容姿の、自分ではない何かが鋏を持ってやってくる、社会派ホラー。
笑える小ネタが緩和剤となって、初1人ホラーだったけど序盤以外は難なく観られたので、デビューに選んだ作品としては丁度良かった。
問題の序盤は、差し迫る恐怖に
「これは映画なんだ、これは、映画、なんだ…」
と必死に自分へ言い聞かせるほど肝を冷やし、順調にホラーの洗礼を受けていたつもりだったが、別荘出てからが単調に感じられてしまい、うーーーん。拍子抜け。
全編通して 社会への風刺、メタファー、オマージュ、撮りたい画、どんでん返しのオチ等、アイデアの箇条書きを見ている気分。テクニックがあるだけに、それが独り歩きしているように感じた。
根深い社会問題を揶揄するなら、設定にもっとしっかりした軸があればもっと世界観に入り込めただろうし、もっと深く心に刻まれたと思う。
監督前作『ゲット・アウト』が好きで期待してただけに、何も残らなくて惜しい印象。
種明かしは素晴らしかった。恐怖が情に一変した。
無機質な笑顔と歩き方の不気味さも好き。
前作同様、一つ一つの演出や小道具に意味があるようなので、アメリカの文化に詳しかったり、メタファーを読み解くのが得意な人はより楽しめるかもしれない。
Usの未来は、災いではなく、光がもたらされんことを。
「それゆえ主はこう言われる。見よ、わたしは光を彼らの上に照らす。 」Usafuwa書11章11節🐰
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