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ミュウツーの逆襲 EVOLUTIONのshinoのレビュー・感想・評価

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019年製作の映画)
5.0
いや聞いてほしいんですけど、わたしちょうど前作のミュウツーの逆襲が公開されたころ映画館行ってるんですよ。初めてしたポケモンは赤で、ゲームボーイの色も赤だった。たしか幼稚園か小学校低学年か……そのくらいのとき。もう誰と行って、どこの映画館なんて忘れちゃったけど、結構人がいてね。今みたいに売店オンリーの販売じゃなくて、スタッフの人が座席までパンフレットを売りに来てて、わたしはピカチュウのなつやすみのパンフレットを買ってもらったんですよ。もうどこにしまったのか、捨ててしまったのか、わからないけど。話は全然わからなかったけど、ピカチュウ ぎ悲しそうで悲しかったのを覚えている。
もうね、今回の映画はねそういう思い出を一気に運んできてくれて、ずっと泣いていた。特にエンディングの風といっしょにで人間やめるくらい泣いてしまった。アラサー1人ポケモンで爆泣きですよ。

ストーリーは確かに、結構辻褄が合わなかったり、話をサラッと流してるところがある。でもだから評価は低いか?って言われたらちゃうねん。そうじゃないねん。もうね、思い出補正のチカラが強すぎて真っ当な評価ができないのは重々承知なのだけれども、昔とほとんど何も変えなかったスタッフさんたちに敬意を表したい。ここ削って、ののシーンが入れられる!なんて絶対あったはずなのに、一々「このアングルあった!」「このシーンあった!」ってパズルのピースをはめ込むように記憶がウワーッと蘇るんですよ。
もう泣くわこんなん!!!!持ってきたティッシュ全部使ったわ!!!
テーマとしたら、やっぱり子供にはわかりづらい。クローン技術と自己認識っていう半ば科学と哲学の世界なんですよね。これだけみたらブレードランナーですよ。ブレードランナー2049でも同じテーマだったので、やっぱりこのテーマは永遠に語り継がれるような気がします。

あと言えることと言えば世界〜〜!!!これがIkue Otaniやぞ〜〜!!!!!!!!刮目しろ〜〜!!!!!!ってくらい、ピカチュウで泣いてしまった。中盤涙流してない時が無かったわ。枯れるわ涙。
あとはね、レイモンドがちゃんとレイモンドの声で泣いちゃった。
もうねとにかく、あの時代にめちゃくちゃポケモンオタクだった子どもに向けた細かさでよかった。市村正親の声も当時の記憶そのままだった。亡くなった石塚運昇さんのオーキド博士がまた聞けて泣いてしまった。

もう3DCGの意味とは?とか脚本変えなさすぎてリメイクした意味とは?とか、う、うるせーー!!!!しらねーーーー!!!!!EVOLUTION
ってテンションになりかけているのですが、まあそういう賛否があるのはわかります。リメイクで変えるな!って意見は多いですが、じゃあリメイクの存在意義とは??という、ある意味物語の根幹と同じことになってしまう今作。
もしかしたら、この映画はわたしと同世代であの時はめちゃくちゃポケモン好きだったけど今はあんま見てないな〜〜って人が一番楽しめるんじゃないかな。

でもわたしの隣にいた小学生くらいの男の子。あの子も10年、20年後、同じようにうすらぼんやりとパンフレット買ったなとか覚えている、そんな映画であればいい。
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