怪作。★3.3は凡作というわけではなく、極端に良いところも悪いところも清濁合わせ飲んだ結果の中央値。
あーーなんだろう、矛盾するイヤな感情。異臭を放つ人を前に「差別は良くないよ」と鼻をつまみながら解いているような、なんとも言えない胸糞悪さがへばりつく。
執拗に醜く描き生理的な嫌悪感で満ちたところ、
それは彼らの種を下に見てるってこと？それが悲劇を生んだんじゃないの？と詰め寄ってくる感じ…。こんなにも意地悪に放り投げるか？？なにも解決しないし、放り出されて終わり、みたいな。
こんなにも異種というものをまざまざと見せつけられることが未だかつてあっただろうか。
アイデンティティの喪失と鬱屈を描く前半は、灰色の人生のえも言われぬ重苦しさを淡々と描く。そして同種の発見と解放を描く中盤の、水を得た魚のような生き生きとした姿。コントラストが見事。銀幕スターの美男美女のキャスティングに見慣れてる分、彼らの生物としての脈動に目が離せなくなる。
変な集中力でエグみの強い画と向き合うから疲れた。
ジャケの『切なくも美しい究極の北欧ミステリー』はダメだろ。ヴィジュアルもなんか不思議な森の北欧ファンタジー感出してるし。コレ期待してる人にコレ見せつけて、幽白のあの台詞を送りつけたい。
