もじゃ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのもじゃのレビュー・感想・評価

4.5
「じゃあ教えてくれよ、この仕組みの深さを破壊する方法を。」

ガンダムの正伝たる宇宙世紀の作品。反地球連邦テロ組織、マフティーとなったハサウェイはどう戦うのか?

この作品が映像化されるとは思ってはいなかったので、見ることができて嬉しく思う。単にガンダム作品、アニメ作品としてでなく映画として良く出来ていた。
主要キャラの中でも重要なギギ・アンダルシア役の上田麗奈は素晴らしかった。勝利の女神でファム・ファタール。魅力的で不安定な感じがまさしくギギだと思わせた。ハサウェイやケネスもしっくり馴染む。マフティーの面々も魅力的。ガウマンが渋い。
90分程度とコンパクトながら、脚本はポイントを押さえている。主要人物勢揃いで動きもある序盤、ハサウェイが少し悩みを見せながらも最初の作戦スタートで話が動く。モビルスーツ戦闘を足元で体験させる中盤は怪獣映画的。マフティーとしてガンダムに乗って戦う終盤へのプロットポイント。ドラマも戦いもこの後に期待させる良い序章だと思う。
映像はこれまで進歩してきたロボットアニメの先へ進んだ。戦闘の地上への影響はリアリティかあった。コックピット視点がこるまでよガンダムと比べても新鮮。タイトル「閃光」のとおり、緑と赤のビームの対比も良かった。そして今回は音に驚いた。敵ガンダムのペーネロペーの飛行音の妖しさは不安を煽る。
連作故の足りない感じはあるものの、これまでのガンダムを超えようとする確かな意思を感じた。欲を言えば、エンドロールもカッコいい映像が見たかった。オープニングが良かっただけに。

ガンダムファンとして、大満足した作品。
もじゃ

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