みかん

イン・ザ・ハイツのみかんのネタバレレビュー・内容・結末

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラテンアメリカ地域の移民としての葛藤を抱えながら、逞しく生き、そんな日常生活の中で小さな希望を見いだしていくミュージカル映画。
移民問題については、合法的な移民や受け入れ国の社会体制の整備とか、様々な観点でいろんな議論があるかと思います。
受け入れに規制がかかる動きも理解できますし、難しい問題ですよね。
島国日本では移民の受け入れ数も少ないし、なかなか日常的に意識することのないテーマではありますが、本作を通じて移民に関して謝った認識や情報をもち、彼らの尊厳を傷つけるようなことはあってはならないなと感じました。
社会や歴史、政治的背景について知識も深くない一個人のちっぽけな考えでしかありませんが、そんな風に改めて問題について知り、考えさせられるきっかけになりました。
また、俳優さん皆さん歌が抜群に上手いので、始終飽きることなく楽しめました!
ラテン音楽の陽気さ、情熱的なパワーが満ちていて、元気がでる作品です!

一方で、社会的テーマを持たせるのも大事とわかってはいますが、ミュージカル作品として純粋に楽しめたかというと、
作品に込められたテーマを汲み取ろうと色々考えながら見ていたので、少し疲れてしまいました。
劇中はほぼ歌やダンスでセリフがほぼなく、状況説明も歌で表現されるので、字幕だとそれを追うのがちょっと大変だったかなと。
今まで見てきたミュージカル作品の中でも、特に歌やダンスが多い印象でした。
好みの問題かもしれませんし、比較するものではないかもですが、個人的には同じミュージカル映画の『グレイテストショーマン』 とかのほうがテーマが明確で明るく分かりやすいので、何も考えずに気楽に見れたなって感じました。
本作を見終わったとき『グレイテストショーマン』 が見たくなった。
仕事終わりのレイトショーで疲れきった脳で見たからかもしれませんが。。。

ラスト、主人公は帰郷しビーチに店を構えるって夢を叶えて終わるって思いきや、NYに残る決断をする。
これには、ずっと帰郷したがってたのに急に!?って驚いてしまいました。
育った街も自分の故郷と同じくらい大事に生きていくっていうのは、それぞれの選択だし全然いいんですが(故郷や母国をどことするかは育った環境様々だと思うので)、ただ主人公の気持ちの切り替えが急すぎてちょっと置いてけぼりな気分になってしまいました。

ただ、ミュージカルとして素敵な作品であることには違いなく、見てよかったです!
みかん

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