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ゴーストバスターズ/アフターライフのmaverickのレビュー・感想・評価

4.6
2021年のアメリカ映画。『ゴーストバスターズ』『ゴーストバスターズ2』の正統なる続編。


過去シリーズに惜しみない愛が注がれている。こんなの見せられたら泣いちゃうよ。本作のために過去作を観ておいて本当に良かった。往年のファンなら余計に目頭が熱くなったことだろう。

80年代そのままのノリではなく、今の時代にあったアレンジが加えられている。主人公家族と祖父との関係性に重きを置いた深みのある人間ドラマや、最新技術を用いてより洗練された映像描写は見応え十分だ。作品のテイストはだいぶ変わっているが、本作は旧メンバーの孫が主人公の時代の話で、それだけ時代は変わったということ。新たな世代の物語として、この変化は必然のものだと受け入れられる。

2016年のリブート作と違うのは、同じ世界観で話が続いているということ。実際と同じ時間が作品の中でも流れており、あの世界の今が映し出される。祖父の家で発掘される捕獲兵器の数々や、朽ち果てたキャディラック ECTO-1の存在に哀愁を感じる。イゴン・スペングラー博士の孫である主人公がその兵器を操り、復活した ECTO-1が生き生きと疾走する姿には感動を覚える。過去作と同じ世界を共有するだけでなく、前2作への熱い想いが本作には溢れていた。

本作の監督はジェイソン・ライトマン。最初の2作の監督であったアイヴァン・ライトマンの息子である。この繋がりも嬉しい。元々はアイヴァン・ライトマンが本作も監督を務めるはずだったが、あまりに長い企画の練り直しの中でそのバトンを息子に手渡した。親から子へ。本作が家族の物語となっていることからもそれは感慨深い。アイヴァン・ライトマンは本作の製作を務め、作品の公開後2022年2月12日に死去。これが遺作となった。長らく構想されてきたこの3作目の完成を、どうしても見届けたかったのだろう。

オリジナルメンバーの一人だったイゴン博士の孫を演じるのは、『gifted/ギフテッド』のマッケナ・グレイス。その兄を演じるのは、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のフィン・ウルフハード。この二人が作品の主軸というのがとても良かった。二人とも博士の面影を強く感じさせる。作中で家族が再生する話というのも感動的だった。お母さん役のキャリー・クーンも良かったし、 ポール・ラッドの存在も作品に安定感を与えていた。

そして何といっても感動的なのは、オリジナルメンバーの再集結。これはもう感無量。こういう演出って最近は珍しくないけど、大事なのはその描き方。「待ってました」って感じでめちゃくちゃ盛り上がる。そしてもう、ね。あんな演出されちゃったら泣くしかないでしょ。ボロ泣きだったよ。


最後の最後まで愛に溢れていて最高だった。評価がめちゃくちゃ高い理由がよく分かる。過去作ちゃんと観ておいて正解だったな。
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