グラビティボルト

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

3.4
まぁまぁ。
自分より下と感じた女に暴行し、あまつさえ殺してしまうホンカが汚部屋と場末のバーを彷徨い、最終的には逮捕されてしまうまでの映画。
すげぇ無愛想な作りだと思う。
ゴア描写にはあまり興味が無い印象で、バーや部屋の美術で攻めてる。

これ、フリッツ・ホンカという殺人鬼の動機をホンカの内面よりも、歯が抜けて歪んだ彼自身の外見や、
バーの煤けた空気、テーブルの汚れっぷり、ホンカの部屋の汚れ、湿気、暴行する売春婦の荒れっぷりといった外部で描写してるのが特徴的。

屈折した女性観を持った殺人鬼がひたすら女性をズタズタにしていく映画、文学的にもなりそうだし、いくらでもウェットになりがちだと思うが本作はひたすら美術の煤けた空気や汚れが強く刻み込まれてるので非常に即物的だと感じた。