カズナリマン

イエスタデイのカズナリマンのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.3
予告篇、期待させたのにーーー!
なんとも悪意のない、喉越し重視の低アルコールドリンクに落とし込まれちゃったなぁーー。

その一番の原因は、主人公が
・ハードコアビートルズファンでないこと
・善意の塊のプラトニック童貞であること

です!

主人公をビートルズファンにしなかった理由ってなんなんでしょ??
ビートルズファンでいいじゃないですか??
なんなら、アンチビートルズでもよかったと思います!
とにかく、
「スターウォーズファンではないヲタクがパラレルワールドでスターウォーズもどき映画をつくって成功する話」
よりも
「スターウォーズファンがパラレルワールドでスターウォーズをつくって有名になって、でも偽物感に苛まれる話」
の方が面白い話に違いありませんか?ね?

ビートルズを通じて人生賛歌をつくりたかったのはわかるのですが、散々ビートルズネタを出しておきながら、あさーーいビートルズ絡みなんかやってるから、あの人がでてきても「ふーん」って気がしちゃったし、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のエンディングほどのカタルシスがない!(両方みたかた、わかりますよね!)

また、主人公が成功しちゃった後のジレンマも、ビートルズファンの方がもっと悩みが大きかったはずなんですよねーー。アーティストとしての自分と、ビートルズの曲で売れてると自分との間のジレンマが!

だからこそ、主人公をもっと嫌な奴、金を稼いでラッキー!なキャラクターにしておけばよかったんです。
そんな彼が最後、自分のアイデンティティに目覚め、金も女をかなぐり捨てて歌う!
こっちのが、もともとイイ人が「やっぱりビートルズはみんなのじゃん!」って道徳的なことを言い出すより、メッセージ届きそうな気がしません?

ダニーボイル、ひよったなぁーー。いっそ主役レントンにしちゃえばよかったのに!