D・ボイル監督作。
20年前に今作の設定があったとすれば、主人公は絶対彼ではなかったでしょうね。「スラムドッグ・~」の成功があればこそ。それにしてもなかなか変わった話でした。ビートルズだけではなく、他の物も意外と無くなっているところが面白い。恋の相手もすごくキュート。やはり監督、センスありますね。押し付けない距離感がイイです。例えパラレルワールドであろうとも、ビートルズの音楽はどちらの世界でも必要なもの。久しぶりに聞いても口ずさんでしまう名曲ばかり。主人公の行動がバレるバレないというスリリングな展開に重きを置かず、自身が幸福であるかどうかという王道の普遍的なテーマ。終盤のジョンとの出会いは、何故か泣けてきた。特にハグを要求されて精神科へ行けと言われるくだりは、ホント救われた気分でした。