SHIMABOO

ラストナイト・イン・ソーホーのSHIMABOOのレビュー・感想・評価

3.5
 母親からの遺伝で色々”視えて”しまう体質のトーマシン・マッケンジー演じるエリーちゃん。しかし、何やらどうも彼女の住むアパートそれ自体にも霊的なモノが宿っているという、いかにも『シャイニング』的な(スティーブン・キングの方ね)舞台設定がのちに明らかにされ、なるほどそーゆー合わせワザもあるのかあ…と感慨に浸る間もなくグイグイと物語を引っ張っていく、いかにもエドガー・ライトらしいアイデア盛り盛りの、たのしい映画である。

 とはいえ、色々盛り込み過ぎててアレ待てよ?と思う箇所もいくつか。最初の方の首のアザの理由は結局分からずじまいだし、クライマックスの(これはネタバレ)殺された狒々爺達(サンディ曰く「当然よ!」)がエリーに助けの手を差し伸べつつ慈悲を要求してきたかと思えば、その直後にサンディは因果応報といわんばかりに自死を遂げるのは、何だか全体としてバランスを欠いているように見える。結局俺的にいちばん盛り上がったのは最初に60'sにタイムスリップした時の『007 サンダーボール作戦』ドーーンからの入れ替わり立ち替わりのスーパーダンスシーンまででした。
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