ゴダール映画で魅力的なのは、何をおいても車だと思う(女優、という方が殆どだと思うが)。今でいう所の自転車に近いだろうか。今の車しか知らない我々からすると信じられないほど軽快に街を疾走し、道なき道を走>>続きを読む
母親からの遺伝で色々”視えて”しまう体質のトーマシン・マッケンジー演じるエリーちゃん。しかし、何やらどうも彼女の住むアパートそれ自体にも霊的なモノが宿っているという、いかにも『シャイニング』的な(ス>>続きを読む
観終わった後にちょっと言葉が出てこなくなる様な、そんな類の傑作。中世ヨーロッパのファンタジックな世界のリアリティを確保するために必要な人間の欲望―つまりセックス&バイオレンスを余すことなく描いている>>続きを読む
原作未読、ホドロフスキーの話は知ってる(ドキュメンタリーは見てない)、リンチ版は観た…という程度のモンなので、うるさ方の御見物は目くじらお立てにならぬよう。
まあ、良くできてはいる。しかしこのパ>>続きを読む
最初のレア・セドゥの過去パートが明けてからの前半の方は特にだが、これまで散々やってきた予告編の継ぎ接ぎ感がものすごく、さほどテンションは上がらず。(実は)ちょっと映画の公開に向けてコンディション調整>>続きを読む
ホラー以前に映画として驚くほどウェルメイドな仕上がり。長編は本作でなんと二作目という監督の力量を感じた。これは一作目の『ラ・ヨローナ』も観なければ。『エクソシスト』『シャイニング』あたりのリファレン>>続きを読む
もはや説明不要、宮崎駿の大大大傑作漫画娯楽映画のデジタル・リマスター上映。これをつまらないと言う人間は一人も居ないと、自信を持って言うことができるし、未見の方は何をおいても劇場に駆けつけるべきである>>続きを読む
映画の頭に”This is based on a true story”とかそういう類の文言があると、とっさに意識を身構えさせる習慣がいつの間にか付いてしまった。実話を下敷きにしたとしても、それは作>>続きを読む
SFの皮を被ったフィルム・ノワール。確かに総力戦の傷を感じさせる水没都市と、『エイリアン』の冬眠装置のような見た目のガジェットと思わせぶりな要素はあるものの、メロドラマと謎解きが主体のストーリーにお>>続きを読む
大好きな作品なので、ビデオでなら繰り返し見てはいるが、やはり劇場に観にきて良かったとオープニングからして思った。まずファーストカット。シンプルなCGの立体マップに表示される2機のヘリ、ズームイン。そ>>続きを読む
それなりに楽しめた。オチに関しても「それだけはヤメてくれよな~」と思っていたらいともあっけなくそっちの方、つまり最悪のシナリオへ持っていかれ、そして盛大にこっちがズッコケた後での力業のひとひねりで「>>続きを読む
観始めは「今時コレかよ~」と余計な心配をしてしまう程の、なんとまあ古臭いお話。しかも前半1時間ちょいはかなり抑えたタッチ。しかしコーエン兄弟の必殺技=独特なギャグと精確なツーショットの会話劇、加えて>>続きを読む
いやぁ良い拾い物をした。観ている間じゅうウキウキしっぱなし、世の中の9割5分の方々に向けた最高の週末映画である。
何より映画全体が「肯定感」に溢れているのが良い。コーヒー一杯でカフェで5時間粘る>>続きを読む
初め足元にあったのは、小さな小さな裂け目。それが物語が進むにつれ、どんどん大きくなっていき、巨大なクレバスが現れる。立っていられなくなり落っこちる。落ちた後もどんどん裂け目は大きくなり、無限に奈落の>>続きを読む
ひまわりといえば美しいものの代表のようだけど、クローズアップしていくと中心部分が妙にグロテスクに見えるのは気のせいだろうか? 「このひまわり畑は戦争で死んだ人々の上に咲いています…老人、女、子供、ロ>>続きを読む
出来は決して悪くは無いのだが、いまいち映画にノレなかったのでこの点数。予告等で雰囲気はおおよそ掴んではいたし(実際に大体あっていた)確かにオープニングの話運びは本当にお見事で、しかも映画のテンション>>続きを読む
まず仮想空間の凄まじいスケールにギョッとする。ほんとうに圧倒的な情報量。オブジェクト一個一個の作りこみは普通なのだけど、地球の地平線ほどの距離はあろうかという奥行きの中にありったけの量を詰め込み、上>>続きを読む
いや少なくとも俺の記憶のなかのワイスピは、こんなにつまらなくは無かった。どれだけ荒唐無稽でも陳腐でも、少なくとも”タルさ”だけは無かったはずだった。何故だ!?(諸般の都合で)吹き替えで観てしまったの>>続きを読む
本作でのブラッドリー・クーパーにかかる重圧ときたら、おそらく想像を絶するものだったに違いない。監督、製作、主演、音楽(脚本も!)を兼任することもそうだけど、とくに共演のレディー・ガガが一番厄介だった>>続きを読む
えー、ようするにカーツ大佐がこの映画を撮ってるコッポラ自身って解釈でいいんですかね。戦争の狂気云々というか、コッポラが向こうであまりにも大きな野心を抱いてしまい大変なことになり、その現実の状況がたま>>続きを読む
「世の中のキビシさ」を、説教臭さナシの落ち着いた語り口で伝えていた一作目とは打って変わって、若僧(トム・クルーズ)とジジイ(ポール・ニューマン)のバチバチのせめぎ合いが繰り広げられる。これはこれで悪>>続きを読む
男による男のための男の映画。自分勝手で破滅的な男の生き様。これが滅茶苦茶にカッコええ。最高。
「ピノキオ」であり、かつあまりにも壮大なSF叙事詩。傑作。
言ってみれば、『ブレードランナー2049』とコインの裏表のような存在の映画である。自分が人の子である証拠を探し求める、レプリカントの刑>>続きを読む
俺は見ての通り『人狼』のファンなので、そして勿論沖浦さんの絵も好きなので、話が地味だの脚本がアレだのといった、この映画の悪口はいっさい書かない。
美術の所為で何やらジブリもどきと勘違いされること>>続きを読む
ドラマの部分は面白いが、脚本家の想像力がちと足りん。あんな青っ白いヒョロ男(>fukase君)が、四人家族の内一人たりとも逃がすことなく、あれ程キレイに殺人を完遂するのは相当難しいぞ。しかも凶器は刃>>続きを読む
死ぬほど退屈だった。
「SFは絵である」という基準でいうなら、この映画は0点どころかマイナス100点ぐらいは叩き出してるんじゃないか?映像は頑として語らず、登場人物たちが何の面白みもないモダニズ>>続きを読む
まさに大味の極みと評すべきドラマの展開だが、ひとたび怪獣たちの超ド級プロレス大会が始まると、そーゆー細かい諸々は一切吹っ飛び「いけぇぇぇ!ブッ壊せ!!」(ちなみに俺はゴジラ派)というふうに至福の約2>>続きを読む
「証拠はあるのか!証拠は!」とゆーのは追い詰められた犯人の常套句な筈なんだけど、この映画の主人公に言われると返す言葉がない。僕らも見習って、日頃からやましいことはナシで生きていきましょ。
イース>>続きを読む
最後にラドンが力尽き、溶岩のなかに落ちてゆくとき、なぜ白川由美は悲しい顔をしていたのか?
あれは明らかに、飼っていた小鳥をラドンに重ねている。人間の楽しみのためにカゴのなかで生かされる鳥と、人間>>続きを読む
ようやっと頭が追いついてきたので少しばかりアウトプットをば。
要するにこれ、時空を超えて愛する者同士がつながって、んでその勢いで人類救っちゃうっていう…流行りのセカイ系か!?(いや、もうブーム>>続きを読む
富野由悠季曰く、TVアニメと劇場用作品の違いは「物語の密度の差」だという。とするならば、これは映画ではない。そう言い切れるほど、この作品の「物語の不在」は深刻だ。
問題はストーリーの方向性を一向>>続きを読む
『犬神家の一族』よろしく名家のドロドロ跡目争いミステリー。ただ、後継息子たちが直接殺った殺られたではなく、それを邪魔する三人娘が次々やられていくという所が物語の焦点になっている。
正直言って話に>>続きを読む
言っとっけど、俺は弐瓶勉作品は好きだし、原作漫画全部読んでるし(アニメは未見)、自慢じゃないが「BLAME!」の漫画も新装版で全部揃えてるいや自慢でしたスミマセン。
いや何がマズいってこの映画、>>続きを読む
あの決定的敗戦からはや一年……
占領統治下の混迷真っ只中にある広島。早くも戦後の開放感と活気に満ちていたが、それを良しとしない者たちもまた少なからず存在した。そう、日本帝国軍の生き残り。特攻くず>>続きを読む
押井守曰く、男性監督が自作で青年を主役にするとキケンなのだそうな。つまり否応なく自分の中のある部分——理想化された自分を描くことに直結する可能性が高く、だから極めてキケンな香りがするのだと。
(参>>続きを読む
デ・ニーロに諭されて早々に退場する飲んだくれの運ちゃんとか、デ・ニーロとの対比として出てきた不器用なばあさんとか、主役を立てる為「だけ」に意図的に配置された端役たちに、いたたまれない気持ちを抱いてし>>続きを読む