サヨ

ラストナイト・イン・ソーホーのサヨのレビュー・感想・評価

4.1

イギリスの片田舎から出てきたエロイーズが夢の中のサンディーに出会い、シンクロしていくことで物語は展開していく。最初はタイムリープで出会ったサンディーに服装や髪型を寄せて垢抜けていくという場面ではちょっとありきたりなパターンかなと思いながら視聴していたが、夢の中で進んでいくサンディーの夢の行方やエリーの着地点がどこに行くのか、次々進む展開に飽きず楽しめた。

サンディーにシンクロし半ば片割れの自分のように感じていたエリーの悪夢が現実にも影響しはじめた頃には、サンディーや囚われてしまった亡霊が至る所に現れはじめる。もちろん現実のエリーにも影響を及ぼしていて、悪夢と現実の境目が消えおかしくなっていくエリーと交差するサンディーの記憶。
初めは輝いて見えたサンディーの夢も、夢を叶える途中で壊され疲弊していくサンディーとそれに寄り添うエリーの犯人探し。部屋にネオンライトの光が交互に刺す印象的な赤と青。エリーが選んだコーラ、バーを照らす灯り、家を燃やす火、誰かの体にこびりつく血。私は青よりも赤のほうが印象的だったけれど、ライトの色味など演出と共に流れる音楽も良い。

映画を見終わった今、すごくドキドキした気持ちが興奮とともに自分の身体を駆けめぐっている。良いオチの付け方だった。
サヨ

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