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ナイル殺人事件のNAO141のレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
3.6
殺人に至るほどの殺意の根源、それは〈愛〉なのか〈欲望〉なのか。

シェイクスピア俳優として活躍しながら、映画界でも俳優に監督にと様々な活躍を見せるケネス・ブラナー。第94回アカデミー賞においては、彼の半自伝的作品『ベルファスト』が脚本賞を受賞している。そんな彼が手掛ける本作はアガサ・クリスティによる小説『ナイルに死す』を映像化したもので、2017年の『オリエント急行殺人事件』に続くケネス・ブラナー監督版のミステリーとして楽しむことが出来る。ポアロの髭の謎など独自の解釈もあり面白い。
※個人的にケネス・ブラナーと言えば『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でギルデロイ・ロックハート先生を演じた方という印象が強い。スネイプ先生に魔法対決であっさりと負けたやたらと目立ちたがりな変な人として強烈なイメージがある笑。

アガサ・クリスティは本作や『オリエント急行殺人事件』など、多くの〈クローズド・サークル〉を用いた名作を作り出しており、中でも本作の原作となった『ナイルに死す』は高い評価を受けている作品である。『ナイルに死す』の映画化は2度目であり、1度目は1978年なので、もう40年以上前となる。『ハリー・ポッター』シリーズでミネルバ・マクゴナガル先生を演じたマギー・スミスもミセス・バワーズ役で出演しているが、若き日の姿が本当に美しい!

中学生の頃に原作を読んだことがあるが途中で挫折(それは読んだことにはならないね笑)。というのも、〈愛〉がテーマにあるためか人物描写や関係性について割いているページ数が多く、確か殺人が起こるまでに200ページはあったような…苦笑。そんなわけで中学生の坊やには途中からつまらなくなり笑、あっさり挫折。なもので、映画化されたもので再チャレンジなのだが、本作も少しだけバランスの悪さは感じた。前半がやはり単調で長く、後半の事件解決までがやたらに駆け足感がある。あまりに有名な作品ではあるが、やはり名作を約2時間にまとめるのは難しいのだな、と感じた。

アガサ・クリスティには有名な作品が数多くあるが、次は『そして誰もいなくなった』か『ABC殺人事件』の映画化を希望したい。ちなみに高校生になってから読んだ『そして誰もいなくなった』は途中で挫折せず、きちんと読破出来た笑。
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