もじゃ

ミッドサマーのもじゃのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0
「言葉は要らない、ダンスで通じる」

A24フィルムとアリ・アスター監督の組み合わせ。
精神的に不安定なダニーは彼氏とその友人たちとスウェーデンの夏至祭へ。

気まずい空気を描かせたら天才。場に馴染めない居心地の悪さをダニーと共に感じられる。異分子として彼氏の友人の中へ、そして異分子として異国カルト文化の中へ。侵してはいけない神聖な様式の中にただ居るしかできない。

シーンは割とシームレスに繋がって進んでいく。不安を煽る映像の連続。何気ないシーンでも精神的にダメージを負う。表面上美しい風景の映像でも落ち着かない。泣き声とBGMの弦楽器の音がリンクしたり。後半は花や絵が動き出したりして幻惑させられる。

ホルガの里に着くまでの序盤でダニーの精神的不安定さや居場所のなさが説明される。中盤が長く、不安と不愉快さがいつまで続くんだと思わせる。終盤にハッピーな結末は待っていないのは最初から予感されるけれど、ダニーは幸せだったかもしれない。

ここから早く家に帰りたい、っていう作品。
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