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幸福路のチーのiroのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
4.0
主人公の幼年期がノスタルジックに展開される前半は、まるで『じゃりン子チエ』のよう。ただ成長した登場人物たちが人生の苦味を経験する後半は、台湾の現代史も絡められ、ちょっとした大河ドラマの様相を示してきます。

主人公のチーは、明るい女の子。能天気なお父さん、しっかり者のお母さん、そして最愛のおばあちゃん。そんな家族の愛に包まれ成長し、成人後も曲折ありながら幸せで安定した生活をつかんだように表面上は見えます。

しかしおばあちゃんの死に伴い、移住先のアメリカから台湾に一時帰国する中で、これまで抱えていた心のモヤモヤが一気に噴出する。

その葛藤の克服、そしてチーの新しい人生の選択が、「愛するおばあちゃんと心の中で対話する」という形を通し描かれていきます。

過去への郷愁、家族の愛、そしていまを生きるということ。日々の生活で悩んだ時、心に優しさをくれる作品です。
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