iroさんの映画レビュー・感想・評価

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(2023年製作の映画)

3.5

バイオレンスとか男色とか色々要素はありますが、物語のベースにあるのは秀吉の非情さ。天下人になるために周囲を利用し蹴落とすという、人間の上昇志向という欲が生み出す酷薄さがテーマだと思います。

ただそれ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

『ゴジラ−1.0』。誤解を恐れずに言うと、内容にブレは感じました。

それは〝ハッピーエンドで終わらせたい〟思いと〝本当はもっと悲劇的に破壊的にしたい〟思いのせめぎ合いがひょっとしたら山崎貴監督の中に
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

長い作品だが、後半になるにつれ面白みが増した感あり。特にロシア遠征以降。

そこから妻ジョセフィーヌとの〝2人で1人〟という関係の描写に具体的な意味合いが出てきたと思う。

ただ、だからこそ前半部の2
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ロッキー(1976年製作の映画)

5.0

ベストムービー設定用

レビューはいずれまた。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5

ひさしぶりの投稿となります(^^)

結局、スピルバーグはお母さんとの関係をこの作品で描きたかったのだと思う。母の回想、母との思い出。それは甘さだけではないんだけど、スピルバーグにとってはやはり大切な
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幸福路のチー(2017年製作の映画)

4.0

主人公の幼年期がノスタルジックに展開される前半は、まるで『じゃりン子チエ』のよう。ただ成長した登場人物たちが人生の苦味を経験する後半は、台湾の現代史も絡められ、ちょっとした大河ドラマの様相を示してきま>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.5

細田守監督が作品に込めたメッセージは明確であり、そして力強かったと思います。SNSという現代的なテーマが、内気な少女の成長譚という古典的なストーリーに載せながら展開されていく。

観ていて印象に残った
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.5

一昔前の洋楽雑誌風に言うと、〝DCの『ジョーカー』に対する、ディズニーからの回答〟というフレーズがぴったり。ただ同じ70年代フレーバーでも、刹那的な『ジョーカー』に対して、『クルエラ』はグラムロックで>>続きを読む

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)

3.5

元は舞台劇だった作品の映画化、とのこと。4人の著名なアフリカ系米国人の会話に託す形で、人種差別を受ける側にも存在する入り組んだ構造を浮き上がらせる。

特にフィーチャーされるのは、人種問題においてあく
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

この作品が描くのは、人間の尊厳が放つ輝きである。

ある企業城下町。工場の閉鎖により、住む街や家を失い、仕事を失い、そして夫を病気で亡くした女性。彼女は、一台のキャンピングカーと共に生きることを決める
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.5

先日、ようやく観られましたー(^^)

50年以上経った現在でもなお、ベトナムや60年代が語るべきテーマとして、しばしば映画の世界で取り上げられています。

これは人種問題や国家の覇権主義、あるいは法
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.5

ひさしぶりの投稿になりますm(_ _)m
その間にフォローしてくれた皆さん、ありがとうございます!

「あのこは貴族」。
この作品は素晴らしい。恐れ入りました。

松濤に住む良家のお嬢様と、北陸地方か
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.5

「市民ケーン」の共同脚本家であるハーマン・J・マンキウィッツという、世の中をちょっと斜めから見る雰囲気を持った人物の物語。

主演のゲイリー・オールドマンは、「レオン」での悪人ぶりや、「ウィンストン・
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.5

原作はアメリカのベストセラーで、貧しい労働者階級から何とか這い上がった男性の物語である。

家族がこの作品の大きなテーマだが、より具体的には祖母、母、そして愛する人という3人の女性と主人公との繋がりが
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スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

3.5

もう20年も前の作品になりますが、全く色褪せません。レッドフォードとブラッド・ピット、二大スター夢の共演ですが、やはりあのブラピでさえ引き立て役に回ってしまう程の、レッドフォードの大きさ。これを感じず>>続きを読む

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)

5.0

改めて言うまでも無い、日本映画史に残る名作ですが、果たしてこの作品が時代を越えても色褪せないのは何故か?

例えばですが、恋や愛の前には、人は弱い。そして恋や愛がないと、人は生きられない。それがすり抜
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探偵物語(1983年製作の映画)

3.5

例えば当時、人気絶頂だった薬師丸ひろ子は初々しさで光り輝いてますし、また原作者の赤川次郎もストーリーを上手くジェットコースターに乗せて、観る側を楽しませてくれます。

しかしこの作品の魅力は、やっぱり
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

5.0

母と娘の物語は、今までも数多くの映画で描かれてきたことと思います。

しかしこの作品は全く新しい視点から、母性が持つ慈しみの深さ、そして美しさを伝えてくれました。

トランスジェンダーの凪沙と、実の母
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

4.0

この作品が持つ繊細な世界、美しさ。これらが織り成す、心地良い空間。

よくよく考えたら、哀しい物語ではあります。しかし不思議な事に、鑑賞後は春の陽光を思わせる爽やかさに、身も心も包まれていきます。
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.5

元々は高校の演劇大会で最優秀賞を受賞したシナリオの映画化とのことです。

観客席の片隅で展開される青春物語というのは斬新な設定です。青空の下ではありますが、カテゴリーとしてはいわゆる「密室劇」となるの
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.5

フレッド・ロジャースというTV司会者に馴染みがあれば、その分より感情移入できるのでしょう。しかしそうでなくても、人間ドラマとしての温もりはそのままに伝わってきます。

父との関係に大きな亀裂を持つ、敏
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

3.5

この作品が(良い意味で)奇妙なのは、実は主人公の小寺さん自身は、大きな事を取り立ててやってはいない、という点にある。

確かに、ボルダリングという女子高生にしては少しハードな競技を部活動としているが、
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.0

ひさしぶりに映画で声を出して笑いました(笑)

落ちこぼれ麻薬捜査班が、大物密輸犯のアジトを張り込むために偽装のチキン屋を目の前に開業する。ところがそのチキン屋が予想以上の繁盛を見せて、張り込み捜査ど
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.5

ウディ・アレンは正直、あまり詳しくないのですが(すみません・・)ただこの作品は、ある人が「古き佳き時代の雰囲気」と言っていて、なるほど!と腑に落ちました。

確かに、説明調の台詞回しやロマンティックな
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.5

旅立ち、不安、そして成長。ある一人の若き女性の新しい歩みが、シアーシャ・ローナンの堅実な演技によって描かれていく。

アイルランドの田舎町から、大都会ニューヨークへ。慣れない環境でホームシックにかかり
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なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

4.0

小川淳也という、ある野党代議士の17年を追ったドキュメンタリー。小川氏自身の歴史でもあり、また民主党以降の野党史としても読み取れる。

小川代議士自体は、多分とても良い人なのだろうと思う。理想に燃えて
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告白(2010年製作の映画)

4.0

思春期の少年少女というのは、恐らく1番難しい時期だと思います。子供と呼ぶほどもう幼くは無いし、また大人と呼ぶにはあまりにも未熟である。

その不安定な存在が持つ暗くドロドロとした部分を、少し乾かせたタ
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.0

謎が謎を呼ぶミステリー、複雑に絡み合う人間関係、誰が敵か味方か分からない、そして真の黒幕は・・!スリリングな2時間になるのは間違いなし、の作品です。

ある日、街のコーヒーショップで客が皆殺しにされる
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プリティ・リーグ(1992年製作の映画)

4.0

第2次世界大戦中のアメリカに存在した、女子プロ野球リーグが題材の物語。

そこでプレーするドディ(ジーナ・デイヴィス)とキット(ロリ・ペティ)の姉妹がストーリーの中心です。冷静沈着で捕手としても一流の
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E.T. 20周年アニバーサリー特別版(2002年製作の映画)

4.5

今観ても色褪せないし、もちろんこれからも色褪せることはないでしょう。エリオット少年とE.T.との友情を描いた、映画史に残る作品です。

大きな目にユーモラスな歩き方。僕も友達になりたいなと思わせる親し
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

5.0

実にカラフルな、美しい作品です。

このカラフルとは、衣装やセット等の鮮やかさも勿論あるのですが、豊かにストーリーに織り込まれた喜怒哀楽の情感と、そして躍動感あふれるダンスの素晴らしさに対しても当ては
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.0

1980年代のハリウッドには、時代を反映した明るい雰囲気の映画が多数ありますが、本作もそのひとつ。映画の楽しさを伝えてくれる一品です。

「お化け退治」がメインテーマですが、おどろおどろしさとは全く無
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.5

日本公開時のキャッチコピーは、「凶暴な純愛」というものだったらしいですが、これは言い得て妙、的確に映画の世界観を表していると思います。

ナタリー・ポートマンの瑞々しくも大人びた雰囲気(マドンナ等の物
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花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)

3.5

例えば独特の色彩感覚やカット割り、戦時中ということを多分に意識させる台詞回し、幻想的という以上にアバンギャルドな雰囲気等々、冒頭からしばらくは好き嫌いが分かれるかもしれません。

ただ、物語が進むごと
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.0

原題の〝vs〟の部分が実は重要だったりする訳で、「離婚調停」がテーマ、しかも女性側からの申し出で子供も残していくという設定は、1979年当時としてはかなり斬新だったに違いない。

ストーリーは、ダステ
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