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幸福路のチーのatyのネタバレレビュー・内容・結末

幸福路のチー(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

台湾語と中国語で会話するのがかなりリアルだった。こっちとしては、なんでそれで通じてるの?という感じなんだけど、普通に使いたい方を使うんだよな…

小学校時代に、「台湾語を喋ってはいけません!これからは”国語”を使いなさい」と指導されるシーンがあって驚き。自分の家で話されている言葉と、国が指定する言葉が違うなんて、すごく理不尽に感じる。
その他にも、学生運動に積極的に参加する主人公や、921大地震(1999)で亡くなってしまうかつての同級生、9.11事件(2001)の被害が心配される親戚など、台湾(と世界)が歩んできた近代の歴史がコミカルタッチな作画で詰まっている。その上、お母さんたちが持っているバッグがあの緑と赤のストライプ地だったり、檳榔のくだりでからかわれたりと、台湾の人々がどのように生きてきたかがとてもよく分かる内容。そういった意味で良作。

この映画も、死者とほぼ当たり前のように会話するシーンが多数登場する。あのお婆ちゃんが特殊な力を持っているとしても、すこし自然すぎないか。最近よく考えている、台湾映画は「向こう側の世界が近い」という説がまた一つ強固になった。

作画はまんが日本昔話のレベルだし、ストーリーもありきたりな部分が多いので、評価は少し低め。
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