ひろ

ミッション:8ミニッツのひろのレビュー・感想・評価

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
3.6
ダンカン・ジョーンズ監督第2作品目となった2011年のアメリカ映画

デビュー作「月に囚われた男」で、偉大なる父親デヴィッド・ボウイの七光りじゃないことを証明して見せたダンカン・ジョーンズ監督。気になる二作目もSF作品で勝負してきた。複雑な脚本が魅力の作品なんだけど、その複雑な脚本をしっかり理解できるようにまとめあげる映像センスはさすがだ。

死ぬ直前の8分の記憶というものがポイントになっていて、それを何度も繰り返して真相に迫っていくというのがサスペンスとしても面白い。しかも、犯人捜しという表向きのメインテーマとは別に、主人公の絶望と希望を描いているのが秀逸だ。ラストに向けての展開は、なかなか素晴らしいものがあったと思う。

ダンカン・ジョーンズに監督を依頼したという主演のジェイク・ジレンホール。トイ・ストーリーの人形みたいな顔つきだが、この俳優の醸し出す雰囲気は、経験でどうにかなるものではない。先天的に人を惹き付ける才能があるのだろう。ヴェラ・ファーミガも惹き付けるという点では負けていない。モニカ・ベルッチもそうだけど、フェロモン垂れ流しタイプの女優だ。見かけたらついて行っちゃいそう(笑)

映画というもの自体が自由な発想で作れるものだが、その中でもSFというジャンルは、とりわけ縛られないジャンルだろう。もし~だったら、みたいなことを映像化するだけで面白いものだ。タイム・パラドックスなんかは気になったが、この作品の発想は斬新で新鮮だったし、SFにしては解りやすくまとめてあるので、SFが苦手だという人にも挑戦してもらいたい作品だ。
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