未島夏

TENET テネットの未島夏のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.8
なんて職人気質な映画なんだろう…と言えばIMAX全開の映像技術やアクション、演出についてだと初めは思うだろうが、それじゃない。
無論それらもだが、言いたいのは脚本のことだ。

会話(説明)シークエンスの台詞と同時進行させる小さなアクション(行為)、それを飽きさせずに見せるためのユーモアや、場面設定への苦慮が本題のアクション以上に際立って見えた。

ただ、これだけの説明が用意され、場面転換も然して複雑ではないにも関わらず、それでもまだ難解な印象が残る。

ストーリーが難解というより、次の行動への動機となる事柄が複雑。



主人公の最終的な目的と欲求に視点を絞って、分からない所は潔くアクションを感じる事に徹して見るしかないと割り切った。

それもそれでいい。
せっかくのIMAX、せっかくの映画だ。

時間同士の「再会」や、「自由」を獲得する美しい瞬間を理解出来れば、十分。



映像、音響の凄まじい威力について、今更語る必要はない。
あなたももう、存分に体感したのだから。

してない? いや、これからするよ。

どうしても劇場へ足を運ぶのが面倒ならその未来を変えるのは自由だけど、忠告しておく。

後悔するよ。
あなたは後ろ歩きしたって時間を逆行出来ないからね。
未島夏

未島夏