ぐち

TENET テネットのぐちのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5
冒頭で「頭で考えてはダメ。感じて」
って言われたのでオッケー!了解!!!で最後まで進んだ。

理論を理解できなくても何かすげーーーー楽しーーーーって思わせられるのがノーランの凄いところ…
IMAXフィルムの大画面!体が揺れる音の迫力!!!見たことないような映像表現!!!!映画の魅力が溢れてて久しぶりのこの感覚に涙出るかと思った…
テンポも観客の理解なんていちいち気にしてないハイスピードで突き進んでいって、終盤なんて特に「振り落とされんなよ!!!」ドギャァァァァァンて急カーブのコーナーでもアクセルべた踏みで突っ込むので凡人は振り落とされるしかない(振り落とされた)
デビッキ様はそのおみ脚の超人的な長さにより助かったけど。脚の長さが自らを助くってすごいな。後部座席から対角線上の運転席の扉ロックボタンを押すことができれば助かります!ってそんな助かり方デビッキ様以外無理やで。
あと美貌と身長と頭身が常人離れしすぎてて子供のお迎えシーンでめちゃくちゃ浮いてたの、俳優としてはちょっと損なのかなって思った。雑踏に紛れられない。

ノーラン作品はいつも思うんだけどあともう一言くらい、この世界観における「お約束」や「条件」みたいなものをちゃんと明言してくれ!その一言さえあれば理論が分からなくてもおっけーこの世界ではそういうものなのね、って進んでいけるからさ…
特に最初のラボ?か何かで逆行の説明を受けるシーン…あの逆行が能力によるものなのかあの手袋によるものなのかラボの空間に依存するのか物体に依存するのか最初わからなくて混乱した…唯一と言っても良い説明シーンなのに…
あれは銃弾が特殊だったってことで良いのか?つまり特殊能力やあの空間が特殊なんじゃなくて銃弾が特殊っていう…
ある一定の条件を満たした物体が逆行するってこと?エントロピーの減少は何によってもたらされてるの??

こういう映画って登場人物に1人くらい観客と同レベルの頭脳や与えられた情報量が観客に近い人物がいて、そいつに説明することで観客を導入していくもんなんだけど…ノーラン作品にはいないんだよな…
今回それがニールの役目なのかと思ったらあいつ物理学の修士持ってやがった。

まぁ途中振り落とされて怪我を負いつつ楽しく興奮して観れた良い映画体験だったのだけど、ラストの見せ場の感激?衝撃?を受ける種明かしシーンで「うん?うん、うん??」ってなったのは流石に不味かったかなって思った(私の理解力が)
大体はわかったというか予想もしてたからどういうことなのかはわかったけど、終盤のあたりカットも展開も速くて、理論もそうだけど単純に画がよく分からなかったんだよね…これは大画面が近かったせいかもしれない。

でも大画面の至近距離で観て悔いはない!グラシネのフルサイズ映るIMAXで見てほんとーーーーーによかった!!!!!!
初見で絶対理解できないと思ったから全体を見るのは捨てて没入感のためにかなり前よりの席を取ったんだけど正解だった…上下埋まるとこんなに迫力あるのか…体がスクリーンに入る…
グラシネは縦が長いだけで横幅はそんなに大きくないので、前にシネスコサイズ?の映画をこのIMAXで見たときは小さいな〜って思ってたんだよね。これはIMAXフィルムで撮影されてる映画を観なきゃ意味ないわ…ノーラン専用劇場…
テネットも全編IMAXフィルムではないらしく、たまにシネスコサイズかな?の画が挟まる。のが気になるくらいIMAXフィルムの上下がでかい…普通の映画館だとこんなに切れてるってこと?!もう普通の劇場には戻れないかも…

あとマイケルケイン様出したかっただけだろ。ねぇノーラン。ロバートパティンソンとデンゼルの息子に超絶素敵なスーツ着せたスマートな姿とブルックスブラザーズを鼻で笑うケイン様が観たかっただけやろサンキュー。

ノーランは人間のこころの機微を描くのは苦手なのか興味が無いのか、人間関係に関してはあともう一歩!とかその描かれてない空白の時間が知りたいねん!!!ってよく思う。ニールがあんなに主人公に尽くしてくれるのはなんでなん?!いやいろいろ想像はできるけどさ!そこをもうちょっとこう、見せてもらえたらなって…!
インセプションの時もアリアドネがなんであんなにコブに献身的なのか分からなかったんだよな…
まぁこれで人間関係描写も完璧だったら完璧超人だからね。ビジュアルの趣味と世界観構築に全振りするくらいでちょうど良いよ
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