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空の青さを知る人よのJINのレビュー・感想・評価

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)
4.6
あの花、ここさけに続く超平和バスターズ3部作の3作目。
舞台も秩父周辺で、出てくる景色がどこもかしこも美しい。
いきなりヒロインのあおいがベースでゴダイゴの『ガンダーラ』のなぜかボーカルラインを弾いていて、え?となる。
音楽人間としてはもうこれだけで掴みはOK。

「井の中の蛙大海を知らず」の続きに「されど空の青さを知る」と続くことは知らなかった。
タイトルはそこから来てるんやけど、本当にその内容にふさわしいタイトルでお見事。
お姉ちゃんのあかねが素敵すぎて泣ける。
こんな人ほんまにおったら惚れる(笑)
素直じゃない負けん気の強い妹を包み込む大人の女性。
姉妹愛が良かったなあ。

昔の自分が今の自分を見たらどう思うだろうか?というのは時々考える。
だから、この作品を見るとそこが一番「うっ…」となってしまう。
ああ、自分はこの現実から目を背けたいんだなということに気付かされてしまうからだ。
とてもじゃないが見せられないなと思うし、対峙でもすれば言葉を失いそうだ。
「されど空の青さを知る」というのは自分への慰めか、せめてもの希望か、肯定する術か。
自分で選択して前に進めてるならそれでいいのかもしれない。
どうせ死ぬまでは全て道中、過程にすぎない。
ここで自分の中に言い訳が必要になるなら、それはおそらく自分の人生を生きていないことになるのだろう。

三部作の中では一番好きかもしれない。
吉沢亮や吉岡里帆のこの作品での声優ぶりもけっこう良かったと思う。
クセの強い大物演歌歌手の声が松平健とは気付かず、ずっと鹿賀丈史だと思ってた(笑)
一番良かったのは若山詩音やね。
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