ショウコ

ペトラは静かに対峙するのショウコのレビュー・感想・評価

ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)
3.7
個人的に「食人」と同じぐらい抵抗がある行為をテーマにした胸クソ作品。なんだか面白半分に禁忌をネタにして遊んでるだけの様に思えて、何故こんな話を作ったのか首捻りながら、でもとても興味深く観られました💮

割と早い段階で明かされるので書いてしまいますけど「近親相姦」です。主人公ペトラが、自分の父親が誰なのかを探っていくプロセスが章立てスタイルで綴られていきます。章が進むたびに伏せられていた事実のカードがめくられ、彼女と周りの人物たちの人生が明転←→暗転していく…



興味深かったのは「なんで抵抗を感じるのか」がハッキリしない所

例えば自分の恋人や配偶者が実は生き別れの兄弟姉妹だったとして、知りさえしなければ普通にセックスも出来るのに知った途端に青ざめてしまう…んだろうと思う。でもこれはホントに人間の本能なんだろうか?もし本能だったとしたら知らなくても何らかの引っかかりがあるんじゃないのか?宗教的な縛りがあれば話は変わってきますが、そうでないなら私達を抑圧してるものは何なんだろう🤔

「女の子がパパのオヤジ臭を嫌うのは近親相姦を防ぐための潜在的リミッター」とどっかで聞いた時はなるほどーとヒザを打ったもんですが1ケタ違いのオトコ兄弟には効かないですよね。なのにちゃんと抵抗があるのは頭で血縁だと理解してるからに過ぎないのか…?

撮影は異様に長回しが多い。テンポ悪いっちゃ悪いんだけど「間」のお陰で妄想の捗る事!んでアレコレ考えるのは楽しかったです
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