三流

雪に願うことの三流のレビュー・感想・評価

雪に願うこと(2005年製作の映画)
4.0
ジワッと心に響く、見応えのあるヒューマンドラマでした。
東京で挫折した男、成績不振で末路が見えている馬、双方が再生していく姿は、まあベタと言えばベタな展開ではありましたが、直球な分、とても心に届きやすい物語で心にグッと来るものがありました。
一度苦みを味わったことがある者ならば、何かしら共感できる映画だったのではないでしょうか。

しかし人生の再出発は、何でこんなにも北の大地が似合うのか。
帯広の広大な自然、凍てつく冬の寒さ、作品の雰囲気に彩を添える映像美でしたね。
ばんえい競馬の様子も迫力満点、まあスピード感は無いけど、力強さとお客さんと一体になって楽しめるところに結構面白みを感じました。
まあ何にしても、馬のウンリュウと騎手の牧恵と主人公・学の人生模様が、ばんえい競馬の様子と見事にリンクしている辺りも含めて、とてもいい映画を見たなと思えましたよ。

ところで名匠・根岸吉太郎監督の人脈なんでしょうか、結構チョイ役で名優が多数出演していましたね。
使い方が贅沢過ぎて、逆にちょっと勿体無いぐらいでした。
まあ佐藤浩市、伊勢谷友介と言う、核になる部分はしっかりしていたので、映画的にはホント見応えあって、とても勇気をもらえる映画だったなと思いましたけどね。
そんなに昔の映画ではないのですが、昭和の香り漂う良作映画でした。
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