雪に願うことの作品情報・感想・評価

『雪に願うこと』に投稿された感想・評価

1130papa

1130papaの感想・評価

3.5
ただ早く走ってゴールする競馬でなく、障害を越えてレースをする、北海道ならではのばん馬の厩舎が舞台の映画。感想はまず前半戦、飼育員達の寮でのでんでんの物言いがうるさすぎたなぁ。一旦、引退馬とされた馬が、最後のレースに出場する機会を得るのを見て、人生のどん底から、這い上がろうと決意する主人公。けど、ぶっちゃけ、そこまで決意した経緯、気持ちの変化が伝わらなかったなぁ。
eigajikou

eigajikouの感想・評価

4.0
浜松シネマイーラが浜松東映時代に見た。好きな作品。

伊勢谷くんは俳優として戻ってくるのだろうか。

今、帯広美術館で学芸員してる娘がまだ小学生で一緒に見たのだけど、まさか彼女が将来帯広に行くとは。
この前帯広に行った時、十勝競馬場には行ったけどばんえい競馬のレース開催日でなかったから今度行った時には見たいな。
銀の匙を読んでたおかげで多少盛り上がれたかも?ばんえいのルールには一切触れられてないのはもういいのか?
Omizu

Omizuの感想・評価

3.5
【2006年キネマ旬報日本映画ベストテン 第3位】
『遠雷』『サイドカーに犬』の根岸吉太郎監督作品。第18回東京国際映画祭でグランプリ、観客賞、監督賞、男優賞の4冠に輝いた作品。

北海道ばんえい競馬を題材にした人間ドラマ。伊勢谷友介と佐藤浩市が兄弟を演じ、脇を小泉今日子、吹石一恵、山崎努、香川照之、草笛光子、椎名桔平といった豪華俳優陣が華を添える。

これだけ地味な作品によくこんな豪華なキャストが集まったなというのがまず思ったこと。伊勢谷友介は演技としては上手くない。事実上の主演のはずなのに佐藤浩市が男優賞をとったのはそういうわけだろう。

ただ東京で失敗して北海道に逃げてきた弟という役には合っている。

北海道を舞台にしただけあり、雪景色や、その中で走る馬の撮影は素晴らしい。馬の息遣いが聞こえてくるようだ。

プロットだけ取り出せば都会で失敗した主人公が田舎に帰って自らを見つめ直すという地方映画のある種の型ではあるのだが、俳優陣のリアリティある演技や美しい撮影によって退屈しない人間ドラマになっている。

ただやはり『透光の樹』や『サイドカーに犬』なんかでも思ったことだが、根岸監督はなんでもセリフで説明しすぎるきらいがある。また音楽も正直甘々すぎてどうもノれない。伊藤ゴローが手掛けているようだが、『君の膵臓をたべたい』や『君は月夜に光り輝く』といった月川翔作品に多く提供しているようでなんとなく納得。

やっぱり僕は根岸監督はあんまり好きじゃない。演者と撮影はよかった。
kobadog2

kobadog2の感想・評価

4.0
冬の厳しさ、レースの厳しさ、生きる厳しさ。目の前に困難があり、それを乗り越えるためにもがき、乗り越える者、脱落する者、這い上がろうとする者がいる。いい映画。
雪が降りめちゃ寒そうな中ソリを引き走らされるばんえい馬...結果が出せないと馬肉になる競技馬...
東京で敗れ帰ってきたインテリ高学歴な弟・伊勢谷友介と兄・佐藤浩二がメインパートなんだけど、その奥に古典的な大和撫子として配置されたキョンキョンが良かった。「ここで独りで生きていくには水商売しかない」と笑い厩舎で男たちのために飯を炊く。山崎努とのかなりヤバめな力関係を見たあとに「兄と旭川に行ってほしい、兄のために」と言えてしまう伊勢谷!!お前は!!!!キョンキョンが笑ってお前の話を聞いてるのは優しいおばちゃんだからじゃなくて、お前の挫折が大したことなくて微笑ましいから。
大画面で競馬を見ると迫力があるなあということを改めて感じました。
普段見るレース映像と違った映像を映画館で観るだけでも価値があると思います。
スクリーンから1トンを越す重量のばん馬達の息遣いが伝わってきました。
ばんえい競馬を一般の方に知ってもらうには、貴重な資料映画と思います。

上映館も少ないので、ぜひ、お近くに上映館がある方はお勧めしたい映画です。
それにしても、NAR(地方競馬全国協会)がぜんぜんバックアップしないのはなぜなのか?
社台ファームや関口会長が動かないと動いてくれないのか?
何かさびしい思いもしました・・・。

ストーリーはごく普通のテレビドラマでもありそうな展開で、特に何も感じなかったのですが、佐藤浩市やでんでん、山崎努、(ちょい役でしたが)津川雅彦が存在感を示していたと思います。
それにしても、吹石一恵は腰が全然入ってなかった。仕方がない面はあるかと思いますが・・・。
吹石一恵の代わりに竹ヶ原茉耶(現役のばんえい女性騎手)では駄目だったのかなあ???と思ってしまいました。
ウンリュウの出走しているレース映像ももっと工夫して迫力あるものにして欲しかったと思います。
Baad

Baadの感想・評価

4.0
アクシデントで予定の映画を観損ねて
唯一観ることが可能だったこの映画を見ました。
思いがけず良かったです。

本当に淡々とした地味な作りなんですが
素材と役者と脚本が良ければ
それでも充分にみごたえのある映画になるんですね。
映画館で観て良かったと思いました。

訳ありの登場人物が多い中で、
伊勢谷さんの個性がこの映画を引き立てていました。
アップでとらなくても充分に表情が分かる、というのは
この人の天性でしょう。
実際に都会で挫折して家に帰ってきた人につきまとうような
陰りが彼には全くないところも
映画を観やすくしていたと思いました。

(初公開時劇場鑑賞)
え

えの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

競馬場にくるのは最後の有り金を賭ける時..
ばん馬の白い湯気
帰る場所がある、ことは同時に、向かう場所がある、ということ

近々ばんえい競馬に行くことにしました..
andy

andyの感想・評価

5.0
起業した会社が倒産し、逃げるように故郷の帯広に戻ってきた主人公の学(まなぶ)。気がついたら兄や母に会いに来ていたと学は言いましたが、確かにそんな風に見えました。

逃げてきたと言うことも嘘ではないでしょうが、会社の倒産、借金苦、離婚等々悪いことが重なりにっちもさっちも行かなくなれば、自然と故郷に足が向うのではないでしょうか。

この作品を観てまず思ったことは、人間にとって帰れる場所がある事は、すごく大切なことだと思いました。

現代社会は都市部と地方の格差が広がり、みんな挙って都市部に出ていこうとします。それは致し方無いことかもしれませんが、故郷が自分の拠り所になっていることにはほとんど気づいていないのかもしれません。恐らく学もこのまま事業が軌道に乗っていれば、そのことに気づかずにいたはずです。自分の大切なものを失った時、自分がピンチになった時、初めて思い出させてくれるのかもしれません。

一方で、帰る故郷すら失ってしまい、貧困が重なると一気に生活が破綻する人も多いです。学は一流国立大学卒業で能力も高く、帯広に兄と母がいて帰る場所があったのは幸運でした。

人間は一人では生きていけないし、成長できないです。子供は親だけでなく、周囲の人間や地域が育てていきます。人間が社会性を持った生き物故のことです。



学は一文無しになったので、取り敢えず兄の厩舎で馬の世話をする仕事につきます。
だいぶ板についてきて、正式に働くかと兄から誘われますが、学は断ります。
それは、学が自分の頑張るフィールドは東京にあると深いところで気づいたからです。まずは「須藤にあやまる」と言う台詞が、学の覚悟を物語っています。威夫もそのことに気づきました。少し安心したのかもしれません。

兄威夫にも葛藤があり、馬のウンリュウは勝たないと処分されて馬刺しにされるし、
みんなそれぞれの事情を抱えながら、毎日一生懸命生活している。学は帯広での生活でそのことに気付かされたのです。威夫も学のそんな心境の変化に気づきました。

この兄弟の遣り取りに、台詞は思いの外少なかったように思います。しかし、その少ない台詞の間から言葉が溢れているように思いました。

口では罵声を浴びせながらも、学のことを気にかける威夫とぶれないで生きる兄に尊敬の念を抱いている学は生活を共にすることで、少しずつ互いのことを理解していったのでは無いでしょうか。

学にとって帯広での生活は、リセットの場ではなかったでしょうか。もちろん今まで築き上げたものを全部失うと言うきっかけが大きいのですが。ここまで大きなリセットでは無いにしても、リセットする機会はみんなあっていいのでは無いかと思いました。
そして、日本ではリセットする機会は転職みたいな大きなものしかないと思いました。一度立ち止まって少し休んでみる、今までの生活を少し振り返ってみて少し生活の軌道修正をする。こんな事がなかなかしづらい社会と思いました。そんな余裕がないぐらいあくせく生活しているのではないでしょうか。


俳優陣が豪華で、冬の帯広の寒さが少し和むような錯覚を受けました。
その分、リアリティが少し色褪せた感は否めなかっですが、もちろん演技は申し分なく素晴らしいので、それで作品の値打ちが下がるわけではありません。


転勤で関西から地方都市の生活が始まって約10年、故郷への郷愁と都会への憧れの両方を考えさせられた作品でした。
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