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パラサイト 半地下の家族のriikoのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり二度と観たくない。

途切れるWi-Fi、一方的な解雇、汚水の洪水。
上から下、上から下、上から下。

東京タワーから眼下を眺めても、そこにある建物が新築のビルか築数十年のボロ屋なのかは一見にしては分からないし、上層にいる人は上層の視界しかそもそも見ていない。真下の人間はそこにどんな人間がいるのかなんて見えない。コミュニケーションは同じ目線にならないと発生しない。

そんな中、一番客観性を持てていた娘が亡くなったのは物語に対して作用的すぎてあまりにも虚しい。
悲劇のヒロイン。決められた運命。下界の人間の変わらない未来。
息子があの家を買い取る未来など絶対に訪れないということまで暗示した死だった。

そして、環境の中に異臭が存在しないゆえに、反射で鼻を摘んでしまったこと。
この反射が二層の断絶であったことは明白で、そして反射は生理反応だ。
思いやりや目線を合わせるなどの話ではないのだ、反射には抗えない。

私の中にある無自覚な反射は何だろうな...
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