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罪の声のmuraのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.0
怪人21面相、キツネ目の男…もう40年が経とうとしているのかと…

昭和59年におこった「劇場型犯罪」グリコ・森永事件に基づく。ここでは「ギンガ・萬堂事件」とされるが、事件の流れはおおよそ踏襲、犯人像だけは推理によるもの。そのなかで、犯人たちがかけた脅迫電話の声主に注目し、そこから事件の全容を明らかにしていく…といった話。

詳しくは述べないが、犯人像はこれまでの諸説をとりまとめた感じ。そのなかで、脅迫電話の声主は1人の10代の少女と2人の10歳未満の少年だと先日再放送された『NHKスペシャル』でもいっていたが、その3人の人生への想像を膨らませてこの物語をつくったところがいいなと。

ただ、しだいに新聞記者とテーラーのバディもののように見えたことと、最後に記者が正義について語るところが説教臭く思えたことが少し残念。

それでも、個性的なキャスティングは必見。なぜか梶芽衣子に宮下順子。『痛くない死に方』の演技が感動的だった宇崎竜童も。さらに、引きこもりの男を演じた宇野祥平の分厚い眼鏡が泣かせる。そして何といっても、キツネ目の男に水澤紳吾…このあたりは面白かった。
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