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パブリック 図書館の奇跡のスエのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
4.0
率直に、静かに感動しました。公共のための仕事=困難な状況にいる人も分け隔てなく、幸福追求の手助けをする仕事、私もその精神をもって働きたいと思う。

図書館員の主人公とホームレスたちには明確な一線があって、その境界を挟んでの葛藤や軋轢や交流があり、その結果丸く解決する物語、を想像していた。けど違った。

私も同僚図書館員たちと同様に、苦境にある人たちを迷いなく守る行動などきっとできない。矢面に立ったり代弁をすることもきっとできない。でも「それ憲法〜条に違反してるわよ」ってサラッと指摘できるくらいにはなりたいなあ。

図書館が舞台だけに、本の一節を引用する大切なシーンが響いたし、眼鏡がある効果(救済)になったことも嬉しかった。

挙げれば幾つもの粗があり、とても100点満点の作品ではないけれど、声を上げること・怒りを表明すること・目を逸らさないこと・非暴力不服従の精神など、メッセージは芯がありよく届いた。間違いなく良作。
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