さうすぽー

見えない目撃者のさうすぽーのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.9
自己満足点 77点

吉岡里帆主演のサスペンス・スリラー。
彼女が演じる盲目の元警察官が誘拐事件に遭遇し、事件を追うという話です。

原作は韓国映画の「ブラインド」という作品だそうですが、僕は観ていないです。
しかし予告を観たときから面白そうな感じがしたので観に行きました。

やはり期待通り良かったです!
個人的には期待以上の傑作とまではいきませんが、吉岡里帆と猟奇殺人犯との対決を描いたスリラー映画として楽しめました!

色々と思うところもありますが、まず良かったところを順番に話していきます。

この映画は、他のレビューでも言われてる通り容赦が無いんです!
犯人の残虐性を一切忖度なく描いていたので、もちろんグロテスクな描写もありますし容赦ない展開もあります。
そうすることで、犯人にやられるんじゃないかという緊迫感が生まれました。
犯人との攻防戦ははっきり言ってスリラーというよりホラーでした(笑)
下手なホラー映画よりも全然怖かったです!

また、この映画において女子高生が主に狙われるのですが、その女子高生達が本当に女子高生ぽかったです!
ドラマや映画って高校生以上の年齢の女優や美人女優を起用することが多いのですが、この映画は決してそんな事もなくリアルな学生という感じでした。

また、この映画において一番の良かったポイントは日本の社会問題を盛り込んだ事ですかね。
ネグレクトや精神病についても深く取り上げていて、それが話の展開に上手くブレンドしていたので良い意味でリアルでした。
犯人の動機は違うものの、問題を抱えてる人達をSNSで誘って何人もの女性が殺害された「座間事件」を少し連想させられました。

演技面においては一部微妙な人がいましたが、個人的に良かったのは吉岡里帆と犯人役の演技です。

吉岡里帆は盲目の元警察官という非常に難しい役どころではありますが、それを難なくこなせていたと思います。
吉岡里帆と言えば犬との絆も良かったですね。

また犯人役の人もイカれてる感じを、笑いや叫び等でやるのではなく無表情というのが不気味さを醸し出していて素晴らしかったです!

ただ、好きじゃないところや突っ込みどころもありました。

俳優の高杉真宙は女子高生達と比べるとあまり高校生ぽくなく思えたし、演技も微妙でした。

また、警察官達も吉岡里帆ばかり頼っていてあまり仕事をしていないのも気になりました。
確かに実際の警察もポンコツな事が多いと思いますが、警察署内部のやり取りもあったのでもう少し活躍しても良かったのでは?

あとこれは個人的な好みもあるかもしれませんが、犯人の動機が(ネタバレに関わるので詳細は省きます)ステレオタイプでした。
せっかく日本における実際の社会問題も盛り込んでいるので、実際に起きた連続殺人犯の要素を入れた方が僕個人としてはやってほしかったです。

物足りない部分もありますが、日本の映画では珍しい韓国映画ばりのスリラー映画を楽しめたので、それだけでも満足出来ました。

映画好きには観てほしいし、そんなに観ない人でもこの映画をオススメしたいです。