幽斎

ブラック・シャドウ 囚われ家族の幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第23界。原題「The Atoning」贖罪。「贖い」←読める人は手を挙げて!(笑)。キリスト教でイエスが十字架上での死に依り人類を神に対する罪の状態から贖う行為。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

アマプラ謎映画なので制作は意外と古い2017年。本作はDVDスルーでは無くアメリカで深夜にひっそり放送されたTVムービー。レビュー済「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」一世一代の「顔芸」を披露してくれた主演Virginia Newcomb。短編映画界では実力派女優、夫役Michael LaCourも短編映画の常連。息子役Cannon Bosargeも将来良い俳優に成る予感。本作は家族三人の演技力の成せる技と言える。

Michael Williams監督の自主製作映画。名前を検索すると同姓同名がアメリカのサイトだけで20名居るので、簡単に出て来ない(笑)。実質一軒家の中だけでキャストも実質3人で相当な予算不足で目が痛い。監督はC級、マレにB級の短編映画の撮影が本職で、ソウ思えば脚本は一世一代かもしれないが、カンの良い方なら「他人が一人」と言う傑作スリラーを思い浮かべるだろう(笑)。

予算不足で劇伴も響かない、オカルトとして謎の物体が「黒い影」贖罪と言うタイトルと微妙に合致するが、身も蓋も無い事を言えば衣装なのかペイントか、兎に角普通の人間が演じてるのが〇分り、本作を観た時は劇場で「アバター ウェイ・オブ・ウォーター 」公開中(青い人が生理的に苦手(笑)、邦題とジャケ写が詐欺で有名なアメイジングD.Cなら「ブラック・ウェイ・オブ・アバター 」付けそう。

スリラーとして軽いツイストが用意されてるが、アマプラの長い説明文の最後に「衝撃の結末」文字で必死に煽る(笑)、作品を観ないで書いてる事は一目瞭然、実はネタバレが中盤辺りで明かされる二段構え。監督の意図する結末は予断を許さないが、多くの作品でコスられ捲ったオチでも、ラストの解釈は天国で間違いない。

私の生涯一位作品「SAW」James Wan監督「死霊館」雰囲気だけ似てる。齎した原因に観客は一㎜も共感できない(気持ちは分る(笑)、ソレで89分まで引っ張るのは苦しい、45分なら良作と呼べるクオリティは感じた。ホラーとして観れば綺麗過ぎてグロもない。設定が夏なのに暑さを感じない時点でお察しだが、ソレでも喪失とか虚無など物悲しい雰囲気を漂わせるプロットは私は好きなので、ポン酢の様なサッパリした味わいのスリラーとして割と良く出来る。息子の為なら仮面夫婦の方が幸せと思うのは独身アラサー男の世迷い言か?。心の扉は一度閉じると二度と開かない、と監督は言いたいのだろう。

複数のローカルな映画祭で受賞歴も有る作品なので、お暇なら意外と暇潰しに為るかも。
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