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はちどりの10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1990年代のソウルを舞台に、学校でも家庭でも居場所のない、14歳少女ウニの日常と心象を描いたカミングオヴエイジドラマ。終盤、大切な人の喪失のインパクトが大きく、私もウニと共に泣き、大きく心を動かされた。ただ、喪失感でストーリーを閉じるのは安易だし、それが感情に訴えるものが大きい分、ウニの元来の葛藤という監督が真に伝えたかったこと(だと思う)が、弱まってしまった感がする。映画としては、演技、撮影、美術などに隙がなくほぼ完璧。アコースティックピアノを程よく取り込んだ DAW 劇伴も、映画に合い、主張度合いもちょうどよく、また、全編にわたり背景音のクォリティが高かった。いくつかつっこむなら、ウニの身勝手さが時折り度を越す(デート中の後輩女子を振り切り BF に合流するのは最悪)のがもったいなく、また、お約束みたいな喫煙や万引きは、2010年代の映画にはそぐわないと思った。自伝的カミングオヴエイジ処女作が最高傑作となってしまう監督が多いが、そうならずに、更なる傑作を生み出して欲しい
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