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天国にちがいないの海のレビュー・感想・評価

天国にちがいない(2019年製作の映画)
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やわらかい、ふれているのが、わからないくらいに。たとえるなら太陽の光り、眠っている猫の毛並み、緑の葉を撫ぜる風。だれも天使をつかまえられないように、あなたを傷つけない、わたしを笑わない。ゆるすこと、とうとぶこと、いつくしむこと。ゆるす側にいること、あいする側にいること。わたしがここにいることは、とても奇跡で、とても当たりまえ。いつも希望を持つ。それは、生活の幸福度や、精神の向上感の、満たされた具合とは違う。ときには苛立ちを捨て、物差しの上から抜け出す。世界からはぐれる。視界からとおのく。悲しみがあり、憂鬱があるが、光りがある。今日が終わる、明日がくる。希望はそんなふうにある。やわらかで、きえそうで、いつもわたしのほうが、すこしばかりさみしくなる。
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